熱闘モーニング娘。′19 おすすめ10
ロッキン行けなくて家で休みの日に甲子園見ているしょぼくれアラサー女が、ロッキン前に予習してほしいモーニング娘。′19の曲をリストアップしておきました!
暑苦しいメンバー紹介
今のモーニング娘。′19は高校野球の強豪校みたいなアイドルです。
伝統、イメージ、プレッシャー、色んなものと闘う暑苦しい戦士たち。
去年、1万人規模のステージで入場規制をかけて大成功を収めましたが、今年はさらに規模を拡大して最大ステージ、グラスステージへの降臨決定。背負うものがデカい。
なお、去年は40分のステージをほぼMCなし11曲ぶっ続けでやりきり、「体力オバケ」と評されました。
充分に伝統を引き継ぎ、さらに進化する能力を持っています。
もう書くだけで暑苦しい紹介ですね。
見ておくべき主力メンバー
(本当は11人書きたいけど我慢するので全員は最後の過去記事のリンクへどうぞ)
石田亜佑美
「体力オバケ」って聞いてファンの9割7分は「石田のことだな」と思う。それくらい異次元。
一塁打を猛ダッシュして二塁打に変え、さらに盗塁して三塁に出塁し、スライディングでホームインするアイドル。
むしろ打ってなくても代走とかでマウンドにいる気がする。それかベンチで人一倍声出してる。
インタビューでこんなこと言う。(もう何なら記事タイトルが最高に好き)
「いま映像を見返しても、私の顔が怖いんです。(中略)“オラついて”(威圧的になって)います。」
「去年より10分増えて、50分のステージになるんですが、実は体力面では心配してないんですね。」
この人は絶対期待を裏切らない。あのBABY METALの刺客SAYAMETALと双璧を成した女なだけある。
譜久村聖
キャプテン、3番。繊細バントから豪快ホームランまでなんでも軽く打てる。にこにこホームインする。
色っぽい湿っぽい年齢不相応な22歳なのに、なぜか熱くて攻めるタイプの攻撃も得意。
汗のかき方が本当に高校球児なみなんだけど、それすらも「水も滴る良いみずき」。
小田の危機(後述)に伴い、この人もたぶんオラついてる。めっちゃ筋トレ動画あげてる。
佐藤優樹
推しびいきごめん。でも書くしかない謎のメンバー。
「とりあえずベンチ入りさせたし代打くらいで使ってみるか」という役割からなぜか「なんかよくわかんないけど打率良いから5番打ってみる?」と言われた女。「イレギュラー」とはこの人のこと。
打てる球種は多くない。めっちゃ三振かいきなりホームランか。でもなぜか歓声が上がる。
煽り番長が「グラスステージ」とちゃんと言えるのか心配。「グロスステージ、かかってこい」くらいの間違いはいつものことなので大きなエラーではない。
小田さくら
今年のロッキンはこの人が主役。
なにせ、頸椎椎間板症で休養している彼女が復帰するかどうかという点で、既に物語は始まっているのだ。
もちろん、4番バッター、強打の小田。「打てない4番なんていないでしょう?」くらいのこと平気で言う。
そして打つ。かっ飛ばす。ホームランを見慣れるという怪奇現象が起こる。
もし休養の話がなければ、ファンもロッキンの開催前に「おめでとうモーニング娘。!ロッキン成功!」と祝ってしまっていたかもしれない。
だからこそ、彼女が心配でたまらない。かっ飛ばす女だからこそ、無理せず今後のために休む勇気も欲しい。
大船渡みたいなドラマが待っている今年のロッキンは、小田が出て快勝しても、小田を休ませて他のメンバーで全員野球しても、あなたは歴史の目撃者。
皆で祈ろう、#小田いじに。
ひとまずメンバー紹介はここまでにしておくけど、去年ロッキンで娘。を見た他界隈のヲタク友達が帰ってきてから「まりあんらぶりん可愛い」ばっかり言うので牧野真莉愛ちゃんは加えて注目してほしい。
私的プレイリスト
ハロプロはサブスク参入してくれなくて新規娘。、アンジュ、J=Jファン取りこぼしている残念っぷり発揮してサブスクで聴けないのでYouTubeで再生リスト作ってみました。よければそちらとあわせてどうぞ。
①わがまま気のまま愛のジョーク
まだ10代の女の子たちに合いの手で「愛されたい!愛されたい!」と叫ばせるつんく♂のメンヘラリズム炸裂曲(褒めてる)
相変わらず乙女心がわかりすぎる歌詞。「女の子の本音」なんてどうやったってねちっこくなりそうなのに、天を仰ぐような高揚感を生み出す奇想天外な曲。
サビ終わりに小田、譜久村、佐藤が三者三様に愛を叫ぶのが痛快。そのストレス発散具合は例えるなら聴くパンチングマシン。グラスステージの数万の観客よ、是非とも彼女たちの暑苦しさを愛してやってくれ。
牧野真莉愛ちゃんのあまりに男前な「セイ」で煽られてびっくりすることもお伝えしておく。
②What is LOVE?
「たった一人を納得させられないで
世界中口説けるの」
これを青空の下で聴くことができるだけで、ロッキン参加者は人生の勝ち組です。壮大な愛がごり押しの歌。モーニング娘。は相手が地球規模であるほど燃える戦士たち。多幸感が止まらないつんく♂ポジティブEDMの頂点。
フォーメーションという武器を研ぎ澄ましたコンサート必勝曲。
佐藤優樹がどんな狙撃をしてくるか指を咥えてお待ちあれ。
③One Two Three
つんく♂EDMを軌道に乗せた切れ味抜群のダンスナンバー。テンポのいいAメロ、フェイク、加工ボイスなど歌割も個性に応じたモーニング娘。ならではの偏り。
「ちょびっと」「ぱりっと」「もちょっと」のような癖のある韻の踏み方、「おと」「めは」「いつ」「でも」と区切り過ぎる歌割も曲の味わい。
未だにYouTubeのコメント欄が「この曲でハマった」「今でも聴いている」の嵐なのが、正真正銘の怪物曲の証。
結構この曲歌割あるのになんらダメージを負わない石田亜佑美がどれだけ体力オバケか見ててください。
④浪漫~MY DEAR BOY~
ちょっと時代を変えてみる。
モーニング娘。に案外あるようで少ないストレート球。「あなたが弱っても 私が守るわ」の勇ましいスタンスを存分に味わってほしい。
ヒーローが颯爽と救いに来てくれた安心感を与えてくれる、「ええ塩梅」のナルシシズム。
ロックフェスにばちこーん!とハマるはずなので是非ぶちかましちゃってほしい。
野中美希の流暢すぎる英語はこういう大舞台で使ってください。
⑤ここにいるぜぇ
「ぇ」をつけるだけでハロプロだなってなる。歌うだけにとどまらず題名に書いちゃう。
遊び心のある歌い方、間奏のお祭り騒ぎなど、クセというクセをここぞとばかりに見せつけておきながら「Break through 自分をブチ破れ!」という奮起のさせ方が力強くてギャップがあってたまらない。
2002年発売!?嘘!?ってくらい余裕で聴ける。
グラスステージみんなをお友達にできる曲。明るいのに泣けるタイプの曲。全員で暴れまくろう。
なお私はこの歌でちょける13期ちゃん大好き。
⑥青春night
ファンクなのにスラッとした雰囲気もあって今のモーニング娘。たちによく似合うナンバー。
森戸、佐藤を前に据えて小田、譜久村、野中が強固にバックを守る。可愛い差し色の横山。ラップでやっとオラつく石田。周りでは牧野、加賀、生田、羽賀の足長とか美形とかが揃いすぎるメンバーが華麗に舞う。多分'19最高のフォーメーション。(特に譜久村聖がラップするとこんなに良いんだ…という感動がすさまじい)
歌詞が全然「青春」っぽい若さがない。むしろ人生指南。だけどそれが、(私のように)アイドル慣れしていない人間を引き込む沼への入り口だったりする。
⑦I surrender 愛されど愛
こちらもありそうでそこまで多くないバキバキロック。感情が崩壊して狂気の沙汰みたいに思えるが「最低最悪but好き」など、言っていることはサマーナイトタウンから変わってない。古き良き娘。魂とつんく♂ロック融合体。
現在の'19メンでの曲の中では、歌割が割と良い感じに分散しているので推しメン見つけるのに重宝する歌でもある。
振付がヘドバンっぽかったりする。ここで歌わずいつ歌う。
羽賀朱音、数万の聴衆を殴りつけてこい。
⑧自由な国だから
やりそうで怖い。MVが女子高生デスゲームじゃんとファンでさえ一抹の不安を抱いた曲。
狂気の沙汰としか形容できない。制服を着ても他のアイドルっぽくならない、なれない、ならなくてよい。
だがしかし、「国」の話なのに政治がどうとか絶対言わないつんく♂イズム。
むしろ「束縛はさせない 私は私よ」という主権の主張は、主人公を私だと信じて生きていていいよ、という私たちの大好物。
ラスト、二度の転調で地味にレベル高いことをしでかす。ナチュラルにえげつないのがハロプロ。
⑨シャボン玉
こういう情念がモーニング娘。っぽすぎるし、同じハロプロからロッキンに出たアンジュルム、juice=juiceにはないモーニング娘。の個なのかもしれない。
代わる代わる女の子が恨みつらみを叫ぶ、ある意味演歌。
数万人の観衆を前に「なのに、どこ行ったんだよーーーーーーーー」と叫ぶ執念を是非期待したい。
フォーメーションフォーメーション言うとりますけれど、普通に頭ぶんまわしてなりふり構わず暴れて歌うのもかっこいいのよ。
⑩ブレインストーミング
これはいちヲタクの願望。
かつてのリーダー道重さゆみが卒業公演で足をつってしまい、その場から動けなくなるハプニングがあった。
一度は道重を残し、予定通りに中央ステージに移動して踊るメンバーたち。
しかし、次期リーダー譜久村聖が機転を利かせ、この「ブレインストーミング」の曲アウトロで道重のもとに駆け寄った。そして、2人でのデュエット曲を隣同士で歌うことができた。*1
この出来事から5年、場所は当時の卒コン会場よりも広いロッキンのグラスステージ。
4番小田さくら、復帰できるかどうかの瀬戸際。復帰できたとしても、万全とは言えないかもしれない。
そんなとき、こんなフレーズが聴こえてきたら心臓握りつぶされちゃうと思うんです。
「普段通りしてれば
褒められるタイプ
賢く生きようじゃないか
最初の難関を」
オーディションからずっと高い水準の歌唱力で1人駆け抜けてきた小田さくら。
これほどまでの危機は彼女の経験になかったかもしれません。
そんな彼女が、このフレーズを受けて、高らかに歌うのです。
「見得を切れ」
痺れる。ちびる。その場で泣き崩れてモッシュで踏み潰されて砂塵となる。
小田さくらが復活してこの咆哮したら、おそらくファンから死者が出る。
とまぁ、ここまで書いて「え!?もう10曲!?無理!あれもこれも書いてない!」ってなったので番外編再生リストも作りました。
むしろこちらのがボリューミー。興味出たら聞いてみてね!
追記
正解はこちらでした!
普段こんなん書いてます。
まず聴いてほしいアカシック10選プレイリストー横浜セレクションー
本当はコフレの中に突っ込んでおきたい
同じことの繰り返しじゃいけないと思ったんです。
何が言いたいかと言いますと、アカシックが好きで好きでたまらないという思いを吐露し続けるだけではダメではないかと。もっと同じ沼にハマる人を増やしたいんだと。
もう、はちゃめちゃに良いバンドだということは保障します。
魅力についてブログで先に読みたい人は私の過去記事も読んでください。
けどまぁ、やっぱりあなたを耳で確保したいんです。
本当は女心をここまで掴める曲のよりどりみどりバンドなんで、CDを百貨店の化粧売り場で売り飛ばしたり、婦人服の値段書いたタグと一緒にiTunesのQRコードぶら下げたりしたいんですが、私は権力のない一般人なのでプレイリスト作りました。
夏の夜、横浜に向かう車の中で聴いて運転できないくらいテンション高ぶるプレイリストがテーマです。*2
歴代アルバムから少しずつ曲を入れてライブ感ある曲順を目指しました。愛の10曲。
横浜コレクション
エリザベスロマン
宣戦布告のドラムから始まる熱く饒舌な演奏、凶器みたいなメロディによって構成される、中毒性と疾走感が惜しみなく詰め込まれた曲。直球の辛辣さ、皮肉が終始映画のように語られる。
「悪意で溢れた女は闊歩の仕方を知らない」と言ってのけるのは、歌詞を書く理姫さんが弱さから這い上がる女の強さ、それを美しくしてしまう気品を携えて歌う人だから。
プリチー
アカシックの名刺。閉じ込められないほど詰め込んだ個性。「ティー」ではなく「チー」なのがこのバンドの茶目っ気。
恐ろしく「ピンク」で毒まみれの曲なのに、最後には爽快感が上回ってくる。
「雨上がりの虹のように 女の意地を 見抜いて」
こういう乙女心のチラリズムが快感。
ベイビーミソカツ
「奥脇達也」という男が曲になった感。歌よりも感情的なギターがオラつく。
退屈さも不安も幻滅も、全部ひっくるめて恋心なんだという噓偽りのない表現。
生活の気配がする「ミソカツ」というたった一単語で、曲の世界は私たちの日常にすんなり落ちてくる。
切なさを生み出す正統派ポップロックは、奇をてらわずとも人の心は奪うことができると言わんばかり。
邪魔
技巧派リズム隊が黙っちゃない、聴く人すべてを覚醒させてしまう曲。
「アスファルトに降伏してゴミになりました」、「骨を血を飲んでもあたしだけのものに出来ない」などフレーズで人を圧迫する。
病んでるなんてとんでもない、美しさを捨てないバランス感覚の良さもお忘れなく。
幸せじゃないから死ねない
アカシックの持つ、全ての女を受け入れてくれる強さは「死にたい」ではなく「死ねない」と歌うところに表れる。
曲中に登場する「高給取り/風俗嬢/ホスト狂い/キャバクラ嬢」という人物像が仮に自分とリンクせずとも、愛を失う痛みと幸せへの枯渇は誰も無視できない肉声であり生きる意味。
絶望の足音のようなアルペジオから絶叫のアウトロまであっという間の衝撃。
ヨコハマカモメ
カモメが飛ぶ空と海の似合うアカシックの醸しだす、悲しみの暴風雨。
「ケバい女」が吐露する本音、「港のブルー」、「小説でしか見かけない気持ち」、すべてがあまりに横浜の街に似合いすぎる。
涙の味がするのはギターがあまりに私たちを責め立てるから。
このバンドの専売特許目白押し。
女
優しくて甘い愛、女性としての誇り、しなやかな自信。
自分たちの世界を守りながらこういう歌が作れる才能は絶対に埋もれてほしくない。
歌詞の「イカシタ女」がすべて音に反映されているようなシンクロ具合。
演奏の「よくわかっている感」が心地よい麻薬になってしみ込んでくる。
憂い切る身
大海原にダイブする瑞々しさ、一途の尊さ、永久への畏怖。
真摯な生き様を反映する透き通ったサウンドは世間のバンドイメージを覆す。
声に宿る決死の覚悟に鍵盤が追い打ちをかけてくる。
聴く人の好みを問わず心臓にダイレクトに届く衝撃作。
終電
ざらついたギターから始まる真骨頂。渾身の一撃、悲哀。
悔しさをこらえて乗り込む満員電車、酔いの覚める白けた気分、我慢できずに辞める禁煙。
そんな痛ましさに身に覚えのある人は、聴かないと人生変わるぜ。
骨のようにシンプルな言葉たちに油断してると泣かされる。
鶺鴒
最後に好きな曲ぶっこんでしまった。でも聴いてほしいんだよ、おねがいよ。
哀愁、後悔、茫然、寂寥、苛立ち、憂鬱、やるせなさ、いくつ感情搭載してんのさ。
それをあっさり枯れたお洒落ナンバーに美しく仕上げてしまう力量の恐ろしさ。
物語の中に聴き手を置いてきぼりにする歌詞は何度読んでも芸術。
フェードアウトしていくアウトロが私たちを恍惚の中に誘う。ギターとベースの駆け引きを一生聴いていたい。
8ミリフィルム
曲数を見てはいけない。私の中の10曲が何であろうと、これを差し置く訳にいかないんだ。言ったろ?「ライブ感ある曲順を目指しました」って。今からアンコールなの。
あまりに人の耳を仕留める能力の高いメロディは、JPOP全盛期の良さを感じさせる圧倒的強さ。
「誰とも結婚なんてしないでねさよならだけして」など、大人になったからこそ揺さぶられる歌詞の畳みかけが止まらない。
音楽は曲からという人にも、可愛くキャッチーなのに切実で巧みな歌詞を一読してほしい。
何が秀逸かって、ギターベースドラムキーボード、何一つ乱れも無駄もない演奏の精巧さ。早く天下とってくれ、アカシック。
「終電」「幸せじゃないから死ねない」収録 『コンサバティブ』
「プリチー」「鶺鴒」収録 『プリチー』
「ベイビーミソカツ」「女」収録 『Dangerousくノ一』
「8ミリフィルム」「ヨコハマカモメ」収録 『凛々フルーツ』
「憂い切る身」「邪魔」収録 『エロティシズム』
「エリザベスロマン」(アルバムは会場限定盤!) 『POP OFF』
ひねくれアラサーは何故つんく♂さんの書く地球と青春と人生の話に納得して泣いちゃうのか考える
(注意事項)
短い文章ではない。昼寝したせいで夜中眠れなくなったとか、彼氏にドタキャンされてぼっちマック決め込んでるとか、だらだらこのままネットサーフィンするか雑誌を読むか悩んでるとかそういう人向け。
枯れアラサーにも受け入れられる青い春
世界一どうでもいいカミングアウトなんですけど、いかにも青春モノ!という雰囲気が私はなんでか苦手なんです。
青臭い恥ずかしさとか、むずむずしたくなる痒さとか、そういう感情を受け入れることに対する恐怖もあるし。
なんで若いときはあんなに純粋で輝かしい日々を送っていたのに、今ではこんなに枯れちまったんだろうという後悔もあるし。
あまりに理想的な青春モノの中にうっかり自分を投影してしまうと、せっかく綺麗な色ばかりだったパレットにドブネズミ色が紛れ込んじゃう気分になる。
だから私は青春モノと無縁で良いんです、今日もインスタントラーメンすすりながらYouTubeとTwitterがお友達なんですって思っているんです毎日。
そう思っている私の、最近よく聴くお気にの1曲。
モーニング娘。'19『青春Night』(Morning Musume。'19 [The Youthful Night])(Promotion Edit)
嘘やん。
自分で言ってしまいました。
アラサーが突然モーニング娘。'19にドはまりしたことは以前書きました。ちょっと過激に。
でも、すっごい不思議なんですけど、めちゃくちゃ曲を聴いているんです。
メンバーが可愛いとか推しが尊いとか、そういう感情を乗り越えて。
特に私は、歌詞が好きじゃない曲は自分のライブラリに入れないという(他人様からするとウルトラ聞く価値のない)ポリシーがあるんですが、モーニング娘。ちゃんは全アルバム15枚+諸々ちゃんと入ってます。
要するに、つんく♂推し。神推し佐藤優樹、二推し寺田光男。
つんく♂推しになったことに自覚が芽生えて以降、記憶をさかのぼってみたんですけど、「皆が聴いているから」以外の理由で初めて「好き」って感情を私が抱いたつんく♂曲がこれなんですよね
その名も「青春時代1.2.3!」。
マジかよ。
むしろ私、青春モノ大好きやん。
そんなわけで。(あくまで私にとってはですが)つんく♂さんが書く「青春」「人生」「地球」まみれの歌詞がなんでアラサーの胸に届くのか考えてみました。
ちょっとだけ「青春」「人生」「地球」にたどり着く前に寄り道もしてみます。
※「つんく♂さんがどんな想いで書いていらっしゃるか」というよりも、「私がどう受け止めたか」のお話だとご理解いただけますと幸いです。
※引用する曲が多いので脚注をご参照ください。
都合よくトリミングされていない「女の子」
つんく♂さん、本当いつも「この人日本中の女子会に飛び込み参加したり、JKのプロフィールで裏アカ作ってInstagramとTikTokしたりしてんじゃね?」ってくらい女の子のことよくわかっているんですよね。
話逸れるけどつんく♂さんがTikTokしたら16ビート極めすぎてレベル違う動画になりそう。
この人、エスパーだなってしみじみ思う歌詞をいくつか。
凍てつく乙女心は
今日もネットで買い物をした
試合の予定ない勝負服
さらに凍りつく 明細書が来る*1
普通は、明細書のことまで書かなくて良いんですよ。可愛い可愛いアイドルなんだから。
でもやっぱり、ストレスのはけ口にネットで買い物しちゃったうえに多額の支払いを背負ったあの惨めさまでを含めないと「凍てつく乙女心」じゃないんです。クローゼットに眠る不戦敗のお洋服に諭吉を差し出す虚しさったら。
ハンバーガーかじりながら 街行く人を眺めてた
本当に笑っている子なんているのかな*2
なんてこった。カフェテラス流れるmusicぼんやり聴いていたらカモンカモンカモンカモンベイビーしちゃう可愛い某48さんとは違いすぎる現実っぽさ。
笑って歩く子を羨ましいと嫉妬するだけにとどまらず、「あの子だって心から笑っているのかわかんないじゃん」と言わんばかりに疑いにかかる自信喪失と傍若無人のコラボ。
そんでもってハンバーガー。肉上等、油上等。
なんかお洒落じゃないんです。
「何度か歩いた商店街」*3とか、「デリバリピザ いつも悩む LかMか」*4とか。
なんか辛気臭くて孤独なんです。
「みんなロンリーBOYS&GIRLS」*5とか「マンガを読んでごまかすのよ」*6とか。
でも、「綺麗」「可愛い」「素敵」「キラキラ」じゃない部分もちゃんと描いてくれるから、みっともないところもトリミング編集で消されないから、言葉が全部モノホンのものとして心に届く。枯れアラサーにも縁遠くない心当たりある「女の子」。
ちなみに、ハンバーガーの続きはこう。
ヘッドフォンから流れてる お気にの曲が繰り返し
この歌詞は私のこと歌ってる
超めんどくさい心の解読
感情って一色じゃないんですよね。つい忘れちゃうけど。
言葉にしたら「アンビバレント」、「ジレンマ」、「ジェラシー」ってところでしょうか。
ちなみに、「アンビバレント」は1つの対象に抱く相反する感情、「ジレンマ」は板挟みらしいです。雰囲気で現代文解いちゃう私のお勉強になりました。
私世代なら「サマーナイトタウン」*7の「大キライ大キライ 大キライ大スキ」が語尾の吐息まで脳内再生できるでしょう。
なお、現代版では'19が「I surrender 愛されど愛」*8で「最低 最悪 but 好き」と同じ気持ちをアップデートしてくれています。
要するにめんどくさい。ツンデレだねって言って受け止めてくれる人ならいいけど、普通は「お前重くて無理だわ」って言われそう。
また、曲をまたいで歌詞を読んでみると「大人になれば大人になれる」*9って言ったかと思えば「乙女はいつでもよしよししてほしい」*10なんて言ったりもしている。うーん、一筋縄ではいかない!超めんどくさい。でも、どっちも本当だから自分でも超めんどくさい。
なお、こういう感情のときは「言わないでも私のことわかってよ!」とか喧嘩しがち。難問。
去年のROCK IN JAPANで披露された現役ちゃんの勝負曲の1つ、まさにその名も「ジェラシージェラシー」には、こんなフレーズもあります。
「すごいね」なんて
そんなすぐ認めてやんない
(中略)
若いだけで羨ましいのに
難しいことサクサク出来ちゃうって
わっかっる。なんならこれ毎日思ってる。
あれ?いつから心の声って音声入力できるようになったっけ?
すっごいどうでもいい話に脱線するんだけど、同じ職場に超可愛いほんわか系同僚がいて「愛されて育ったらあの子みたいになるんだね」って言われていたのね。
それ聞いて、「じゃあ私はズタズタに傷ついて育ったからこんなんなんですね」とか自虐しちゃったんだけど、そのほんわか同僚と私の格差にも、要らないこと言ってくだらない笑い取っちゃう性格もほんと辛い。生きるのがヘツァ。
見せたくないけど見てほしい本音の部分をごそっと描き出す脅威の表現。
こんな歌詞のオンパレードを読んでは、ひねくれアラサーも「あれ、つんく♂って私だっけ」と勘違いし始めるのです。
つんく♂レンズから覗く「地球」と「青春」
いや、違う。つんく♂さんは私ではない。
地球のことも私たちのことも大事にしてくれる、いわば人類の父なんです。
ここからがこの記事の心臓。
たとえば、反体制っぽい歌詞だったり、扇動的な歌詞だったり、そういうガチで地球や日本のことを大事にしてくれるロックな歌詞はいっぱいあるんです。
けど、なんか日常の自分と乖離している。そんなときもあったりする。
凄いと思う、行動的だと思う、大事だと思う。けど、うーん、みたいな。
行かなきゃいけないんだけどアレコレしてたら選挙行くの忘れちゃったや、みたいな。
でも、つんく♂さんの歌詞は「地球のこと大事にしよう」って気持ちを自然に与えてくれるんです。
やっぱりあなたがくださる元気
やっぱり誰もが求める元気
地球に流れる素敵な空気
ぐっすり眠れる平和が好き*11
これ読んで地球大事しよう、平和な世の中が良いって思わない人なんているの?
地球のこと、日本のこと、あなたと過ごす空気のこと。
規模の大きさで境目を作らない。全部同じ空間のこと。
恋愛のことだったり、自分のことだったりを歌っているときも、地球のことは切り離さない。
見ている範囲が、「でっかい宇宙」*12みたいにマクロだったり「この胸の中の空間ほとんど」*13みたいにミクロだったりする違いはあれど、大事なことはいつも一緒。顕微鏡の倍率を変えているだけで、核になるものは変わらない。
私がいる、あなたがいる、家族がいる、みんなも社長さんもwow wow yeah yeah*14できる地球。
この顕微鏡理論、実は「青春」と「人生」でも通用する気がするんです。
「青春」の一般的なイメージは、光を放つ不可逆な時間、汚されない時代。
けれど、つんく♂さんの書く「青春」は枯れアラサーにもちゃんと実像として見えて、触れることができる気がするんです。
青春Night
幸せってまっすぐ選ぶだけ
青春Night
幸せをチョイスできない
私はこっから脱出 Get away
(中略)
私の人生 エンジョイ!!*15
「青春」の青い、若いイメージからは想像つかない「幸せをチョイスできない」というフレーズ。
この曲では「若いから青春」「未熟だから青春」という描き方はされていないんです。ちゃんと幸せにたどり着きたい、大人にも存在する感情。
そんでもって「人生」が出てくる「青春」の1ページ。
「青春」が刹那ではなく「人生」につながるものになっている。
そんでもって、同時リリースの「人生Blues」*16はこう言っている。
人生って
ここぞっていう日があるんだね
前もってわかりゃいいんだけど
これ、「ここぞっていう日」が「青春」って考えても面白いですよね。
つまり、つんく♂さんの歌詞に出てくる「青春」は「人生の鍵になる一場面」っぽい意味でも読める。切り離されていない「青春」と「人生」。
「歴史刻んだ地球」*17も、「美人ぞろいのジャパニーズ」*18も「世間を知らず街を飛び出しここで暮らす」*19のも、私が立っているところから地続き。
「この手が挑む元気な未来」*20も「ひとりぼっちで少し退屈な夜」*21も、私の人生の一場面。
「地球」にも「僕らの先」にも「未知なる部分」*22があると重ねてくれる。隔離しない。
ナマで複雑な乙女心で、地球と人生と青春を大事にしたくなる歌詞を作ってくださるつんく♂さん。
なんかこんな歌詞を読んでいると、ひねくれアラサーでも人生ちょっと頑張ってみようかなってなりません?
ちなみに、私が冒頭に挙げた曲に、既にこの答えが凝縮していました。
明日がある限り
青春時代なんだよ!*23
周りがミニモニ。とタンポポ派閥だらけだったのに、プッチモニのこの曲がめちゃくちゃ好きだと心酔した子どもの頃の私に教えてあげたい。
そのまま大きくなれよって。だいぶ生きるのがヘツァだけど。
つんく♂の曲で幸せになりたい!
モーニング娘。を改めて聞くようになる少し前、マツコ・デラックスさんがエッセイでモーニング娘。のことについて書いていらっしゃるのを拝読しました。
そのときは、なんでこんなにつんく♂さんの書く歌詞について熱いんだ、くらいで思考が止まっていました。
その後、私もつんく♂さんの書くモーニング娘。の曲を聞くようになりました。
そして、マツコ・デラックスさんとつんく♂さんが対談するとある番組を見ました。
対談中、マツコ・デラックスさんは「(つんく♂さんの歌が好きな人って)圧倒的に幸せじゃない人が多いと思う」とばっさり言いました。ご本人の前で。
今ならわかる気がします。でも、ちょっと付け加えとく。
つんく♂さんの書く曲を聴く人って、もしかして「幸せじゃない人」というよりも、「幸せになりたいんだけど、自信がない人」なのかも。私もそうだけど。
私、ダメなところいっぱいあるもん。
眠いときは眠いし、おなか減ったら何か食べちゃうもん。
恋愛一筋ならかっこいいけど、家族も好きだし。
地球も日本も好きだけど、政治っぽいことは詳しくないし。
そんな人に、届く言葉。寂しさや平凡な自分への悩みを無視しない言葉。
晴れの日があるから
そのうち雨も降る
全ていつか納得できるさ
人生ってすばらしい*24
ひねくれアラサー、この沼は抜け出せそうにありません。
「かつて『オールナイトフジ』(フジテレビ系)に出ていた女子大生みたいに、古臭い顔をしている」ってマツコさんに言われていた少女が私の推しになったのは笑う。
この記事読んで、私の謎の後ろめたい価値観にシンパシー感じたならこちらの沼も是非どうぞ。
*1:「気まぐれプリンセス」。亀井絵里の破壊的可愛さが世界を救う1曲。
*2:「なんちゃって恋愛」。高橋田中はこの年齢不相応な湿っぽさを出す職人。
*3:「Do it!Now」。宇宙のどこにも見当たらないキスがどうして原宿にあるのかずっと謎。
*4:「ザ☆ピ~ス!」。ハロヲタ選挙のたびにこの曲聴きすぎ問題。
*5:「ここにいるぜぇ!」。馬鹿みたいにいつまでもかっこいい。
*6:「One・Two・Three」。今の娘。の起爆剤。
*7:私的に初期は守りたくなる安倍と不機嫌そうな福田の対比が肝。
*8:羽賀脱皮のための曲。
*9:タイトル同じ。佐藤生田石田の歌割が本人そのまますぎて狂おしく好き。
*10:「One・Two・Three」。道重さんは加工されるために声帯を持った。
*11:「元気+」。美貴帝が「ぐっすり眠れる」って歌うミスマッチ感大好き。
*12:「でっかい宇宙に愛がある」
*13:「恋してみたくて」
*14:脚注いる?「LOVEマシーン」。DNAをゆさぶる怪物曲。
*15:「青春night」。森戸佐藤を先陣に置き、譜久村野中小田がどっしり構える19最高の布陣。
*16:MVはどうしてああなってしまったのか
*17:「恋愛レボリューション21」。世代だからupdateがまだ馴染まない。
*18:「HOW DO YOU LIKE JAPAN?~日本はどんな感じでっか?~」。新垣原曲も現役石田も味があって選べない。
*19:「愛の軍団」。鞘師の帽子姿が可愛すぎて悶える。
*20:「この地球の平和を本気で願っているんだよ!」。高橋はこのときの尖ったビジュアルがお気に入り。
*22:「THE マンパワー!!!」。意味わかんない部分があるのは否めないけど17のまーさくが強すぎてもう何でもいい。
読む?にわかがモーニング娘。OGについて書き足してみたら膨大な文章になったんだけど。
この度は誠に申し訳ございません。
先日、公開いたしましたモーニング娘。‘19についての記事につきまして、お詫びと訂正がございます。
モーニング娘。というアイドル集団は、卒業と加入という地殻変動を常に繰り返しながら成長をし続けるモンスターたちであるにもかかわらず、OGメンバーについての記述がなされておりませんでした。
にわかであるということを踏まえましても、真のモーニング娘。の尊さをお伝えできなかったことにつきまして、反省の意を表したいと思います。
なんて言っておりますが。
書きたくなっちゃいました、OGメンバーの好きなところ。
「豚もおだてりゃ木に登る」以外の何物でもありません。
1期から延々書いていきますと眠気をただ売りしてくる歴史の教科書みたいになってしまうので、9期以降ということでお願いします。
またまた、にわかに寛大な大海原の心の持ち主さんはぜひお読み下さい。
娘。の明るい未来に就職希望を出しに来た永遠の演舞戦隊ヒーローアイドル
鞘師里保(さやし、りほりほ)
鞘師里保。 名前から既にみなぎる圧倒的主人公感。
この難読漢字が一発で読めることがファンのステイタス。
りほりほ、やっさん、色々呼び名はあれど「鞘師」と呼ぶことにこそ意味があるような気がする。
すき焼きや畳が英語でも「SUKIYAKI」「TATAMI」であるように、鞘師もまた「SAYASHI」なのだ。
ちなみに何言っているか自分でもよくわからない。
とにかく、たった一人、あなたしか居ない。
素敵な女性だと表彰状もらうべき存在。 そんな絶対的存在。
彼女が担当したのは単なるアイドルの赤じゃない。
そう、長らく日の目を見ず冷たい風の中で苦しんでいたモーニング娘。を助けに来た戦隊ヒーローの赤。
過去に例を見ない戦闘アイドル。
あんなに腹筋むき出しの衣装着てるのにどこに変身ベルト付いてたのか。
しゅわしゅわポンは密かな変身の合言葉だったのか。
瑞々しい黒髪と何でも買ってあげたいベビーフェイス。
可愛いらしいという印象を瞬きする間に覆す、凄まじいバキバキダンススキル。
未来を背負う可能性をべらぼうに感じさせる魂の歌声。
私たちの鼓膜に響かせることでリズムの徹底を証明する語尾の呪文、「ぃーやっ」。
そのハイスペックを達成するために、私生活で必要な頭のネジを全てステージでのスキルに回すというストイックさ。
人魚姫が声と引き換えに脚を手に入れたように、鞘師はエースと引き換えにぽんこつを手に入れた。
そしてぽんこつを手に入れたおかげで、大勢のファンからの深い深い愛を手に入れた。
そんな深い愛の中で誰よりもモーニング娘。のために闘った鞘師は、己の青春を、人生を、まるごと伝説に変えた。
エースカラーである赤色が空席だったことも、プラチナ期がスキル向上しすぎて熟成していたことも、すっぴん歌姫小田という容赦なく襲い掛かる後輩が未来で待ち構えていたことも、全ては鞘師のために仕組まれていたんです絶対。
そう、道重が卒コンで鞘師の唇を奪ったように、仕組まれていたんです絶対。
つんく♂さえも、あなたとの出会いによって歌謡曲エッセンスとEDMの融合という変態音楽(褒めている)を量産することになるのだから、果たしてその運命はいつから決まっていたのか。
つんく♂の未来さえ変える女。ズルい女。
潔い終わり方で、扉の向こうの大空に羽ばたいた鞘師。
今どこで闘ってくれているのだろう。
愛しの君へ。 急に寂しくなったら、またステージに遊びに来てよ。
観音様の心を持つ1億3千万総スマイル王国の母
鈴木香音(ズッキ)
ハロプロより厳しいことを要求される集団なんて、宝塚か五輪代表くらいしかないんじゃないか。
そんなダンスと歌のプロ集団に飛び込もうとするオーディションで「コントやります」と申し出ることのできる度胸の大きさって、どれくらいなんだろう?
アイドルの寿命は泡沫。 可愛いだけで不器用にしか生きれぬ子は、人々の記憶にそう容易く残れない。
そんな中、ズッキの真夏の光線のごとき笑顔 は人々の記憶に住み着くレベル。(定住。賃貸ではなく分譲。)
元気をもらえるとか楽しいとかそんな境地ではない。
実家で食べきれないくらい大量のおかずをこしらえて反抗期の娘でも暖かく迎えいれてくれる母の懐の深さみたいな笑顔。
加えて、色っぽくてユニゾンにひたすら強い「ええ声」はサンドイッチに必ず入るレタス的なポジション。
ええんよ、名前はチキンサンドとかハムサンドとか玉子サンドにしたら。私は隣にいとくから的な。背骨の緑。
たくさんの向かい風を浴びたこともあっただろう。
それでも、麗らかなあなたのVisionを皆が期待している。
弩級の美とハスキーボイスで軟派イケメンと可憐なアイドルを演じ分ける聖域生まれエッグ育ち
工藤遥(どぅー)
ファン層の女性率を上げることに貢献するだけに留まらず、事務所の先輩後輩たちまで翻弄してしまう天性のナルシストチャラ男(?)キャラ。
それに相反するように、性別なんか超越して万人に超ドキドキを与えてくれる天使のビジュアル。 ショートカットは美少女しか似合わないという通説を証明する存在。
最強の可愛いの暴力、八重歯。
黄色い歓声を次から次へと生み出す恋心の怪盗。
それでいて、ハスキーボイス。
それでいて、厨二病。
つまり狂犬チワワ。
過去にアイドル界で狂犬と呼ばれた少女は他にいるのだろうか。
工藤遥とキャラ被りするアイドルなんて未来永劫いない気がする。
でも、キャラが立っているだけで工藤遥の人気は語れない。
負けず嫌い。
同期へのライバル心。
誰よりも腰に力の入るダンス。
声質の限界を感じさせないユニゾンでの厚み担当。
最年少加入と思えない統率力。
案外隠されているけど高め女子力。
そして、彼女の未来を決定づけた舞台での破格の活躍。
いくら煮物を作ろうがハチマキを手に巻こうが、言うだけ番長になんてならない努力家。
翼を広げた工藤遥の今後が是非とも楽しみである。
薄くて軽い氷のつぼみでたこ焼きを包むギャップの舞姫
尾形春水(はーちん)
ギャップという言葉はもうアイドル界で飽和状態ではないでしょうか。
アイドルなのに◯◯、女の子だけど△△、わかりやすいギャップなら今更何のサプライズもありません。
賢いのにアイドル。
透明感がある大阪出身。
フィギュアスケーターからモーニング娘。の12期メンバー。
ここまでならそれ程予想を裏切りません。ここまでなら。
脆弱そうな色白美少女なのに放送禁止レベルの変顔の達人。
正統派アイドルなのに何のためらいもなくAAAとか言っちゃう。
未経験とかそんな言葉では片付けられない独特の音程暴走。事前に提出された予定表にはトリプルサルコウだって書いてるのに見てみたらイナバウアー。解析不能。
それでも、尾形春水を応援したくなる。
ついつい目で追ってしまう。どうして、Help me。
直向きな姿。笑顔。普通の女の子が破格のパフォーマンス集団についていくと決めた静かな覚悟。
いろんないろんな奴がいるからモーニング娘。って良い。
それを存在で教えてくれた。 儚くて愛おしいシーブルーのつぼみ。
美学ある生き方を望み、潔く退いた気高さのある尾形春水。
希望の光が絶えぬことを祈ります。
隠し切れない蜂蜜の甘さを滲ませるおしゃべりスレンダー美女
飯窪春菜(はるなん)
今から無茶な仮定を言います。
あなたは、モーニング娘。10期オーディションで飯窪春菜に出会ったつんく♂です。
最年長オーディション参加者。
細身の身体、長い手足。 流れるようなストレートロングの黒髪。
目が大きくて派手な顔立ち。
まさに容赦しないばっちりイケ女。
さて、あなたなら彼女をどんな風に評価する?どうやって売り出そうと考える?
私ならシシドカフカにする。
事実、彼女のデビュー後は少しイメージと違うものになりました。
道重を継承する加工向き甘めボイス。
なんか気づけば困り眉。
拙いダンスと歌唱だったのに、気がつけば先頭集団についていく成長物語。
なるほど、これを「萌え」と言わずに何と呼ぶ。
チョコレート色からハニー色という、やたら甘ったるい色のメンバーカラーを連ねたこともなんだか奇遇な巡り合わせ。
加えてお笑い怪獣さんまと容易くキャッチボールができる軽快なトーク力。
娘。異色の個性がギラギラ。
卒業まで、彼女はイケ女と萌えのバランスを取り続けました。
パンツスタイルの卒業コンサートドレスという奇抜なセンスと、そのドレスに無理を感じさせないスタイルの良さ。
なのにお手紙で噛んじゃう。普段のトーク力を吹っ飛ばす萌え。
つんく♂、タイムトリップしてこの場面を見てたのかな。
未練を抱かず、新しい世界で現在進行形の活躍をする飯窪春菜。
あなたなら遠い星まで行けそう。期待しかない。
すっごい好きだから すっごい寂しい
6月22日(土)、いよいよモーニング娘。15期メンバーが入ってきます。
新しいモーニング娘。になるための脱皮がまた始まろうとしています。
いつ誰が入ってくるか、わからない。
いつ推しがいなくなるか、わからない。
見る度に姿を変えるモーニング娘。ちゃんたちを、見逃すタイミングなどないでしょ!
蛇足が多すぎて蛇がムカデになりそうな後書き
その1
ご卒業済のメンバーは、既に娘。としての活動を「完成」させたと解釈したのでちょっと長めに書きました。
現役の娘。ちゃんはこれからまた色んな記事で、色んな切り口で魅力をお伝えできればと思います。
その2
本文中にいくつかの宝探しを散りばめてます。良ければ探してみてください。
その3
前回現役についての記事を書きましたところ、思わぬ反響がありました。
まるで想像もしていなかったことですので、未だに頭がパニックになっています(笑)
お読みいただいた方、お広めいただいた方、誠にありがとうございます。
ゆるゆると娘。ちゃんについて書く記事も増やしていくつもりですので、ゆるゆるとお付き合いいただければ幸いです。
その4
娘。ちゃん、ロッキンGRASS STAGEおめでとう!!
普段書いている別界隈も置いてます。
知らない君を振り向かせたい
冷めない熱を手あたり次第に話したい
行って良かったとか、知ることができて良かったとか、そんな規模ではなく、地球があって良かったみたいな感情が全身を駆け巡りました。身体の痺れが止まりません。
ちょっとだけ嘘です。 脚が痺れていて尚且つ浮腫みが取れないのは、私が久々にライブで全力ジャンプしたからです。3日間くらい親友はメディキュットです。
でも、それ以外大体本当です。
情報がスッカスカ骨粗しょう症なんで5W1Hでご紹介いたします。
2019年6月15日大阪ミナミで開催されましたアカシック5周年記念ワンマンライブ「小ぬか雨降る御堂筋」(なんと5年分の全63曲を2日で演奏するという暴挙ワンマン)にぼっちの私が参戦して参りました。
は?なぜ行った?聞く?アカシックほど私の息の根を止めることができるバンドなんていないからですよ。
え?どうだった?これからそれをキーボード叩き割るくらいに書くけど「一生信じるから絶望行きの片道切符でも構わないのでどうぞ私のことお好きに連れまわしてください」ですよ、要約すれば。
それで。書くにあたって考えたことなのですが、元々曲を知っている人だけが読んで楽しめる記事じゃもったいないなって。
日本食しか食べたことない人にパクチーの味を伝えるのに「トムヤムクンがね」って話し出したら指でスマホの上方向にしゅっとされちゃいそうで。悔しい悔しい!ってなるので。
ちゃんと私がどこにどう興奮したか伝えたいんです。カップの下に残されて沈んだタピオカみたいになりたくないんです。
今回、公式もセットリストは発表していません。なので、今回は曲名ゼロのライブレポートです!
新参者、迷い込んだ者、何かに唆されてこのブログを踏んじゃった者!
どなたでもカモン!(あくまで個人の感想だということにご理解の程よろしくお願いいたします。)
アカシックをまだご存じない人のための簡単メンバー紹介
(敬称略)
理姫(ボーカル):色気がメイクして服着て歌っている。アイドル声にスナックトーク。ステージに手鏡とか愛犬を模したクッションとかアイスコーヒ―とか置きまくってそこに女子の部屋を完成させる。メンヘラの心を抉り出し、現実を叩き付け、それでも生きる強さと世界の美しさをそっと女の傍に置いてくれるような歌詞を作って歌う。客席からの歓声がジャニーズのコンサートみたいな女性率。知らんけど。とりあえず可愛い。最高。
奥脇達也(ギター):山梨の狂犬。半袖半パンで虫取りに来た少年かしらと思わせておいて、理姫さんの歌詞をパワーアップさせるメロディアスエモポップキュートロックヨコハマソングを作る奇才。どや顔でかき鳴らすギター、時々ワイルドセクシーボイス。常に前のめりで客煽りがち。最高。
黒川バンビ絢太(ベース):世のイケメンを全員コラージュしたら完成したみたいな端正な顔立ち。ラブレットはもう顔に同期している。曲を引き立てるスパイスのような渋め隠し味ベース。わかる人にはわかりすぎる。キマってくると焦点定まっていない感じで狂気に埋もれて演奏に没頭する。最高。
山田康二郎(ドラム):なんかむっちゃ楽しそうにドラム叩いてくれる。かと思えば、突如マッドサイエンティストみたいに髪をぶんぶん振り回してネジ外れたみたいな演奏になっている。常人に見せかけたスーパードラマー。油断すると優しすぎて失神しそうなコーラス歌う。MCがんばれ。最高。
翔汰(サポートキーボード):サポートなのに全員の弟みたいに可愛がられている。ステージに咲く一輪の癒しという花。全63曲という膨大な曲数を華麗に弾きこなす。全力ライブを支えてくださったという意味でも最高。(本当にありがとうございました)
序盤―油断させたところで堕とす色女と色男たち―
全63曲÷2日=31.5曲を演奏する必要がある今回のワンマンライブ。
私は、冒頭から意識をかっさらうようなセットリストになるのではないかと軽率に予想していました。
なにせ、31曲分ファンを引き連れる必要があるのですから、初っ端から正気を喪失させてくるんじゃないかと。
いとも簡単に裏切られました。
私たちのどこを切り取っても良い曲しかないんだから、私たちの好きにさせてもらうよ。
そんな覚悟がぐっと迫って見えてくる、余裕のある幕開け。
ライブハウスに立ち込める熱気と汗ばむ肌を、心地よいとさえ感じ始める恍惚の時間。
しかし、次の瞬間には鋭利な刃物でぶった切られたような攻めが襲い掛かってくる。第二の裏切りです。
そこからは、もうアカシックの魔性を凝縮した展開。
理姫さんの切迫感のある絞り出す歌声、メンバーの狂気を帯びた演奏、なるほど理姫さんが事前に「メンヘラになっておいてください」と予告しただけのことはある。
理姫さんのシリアスな眼差し、妖艶さが際立つことで、自然と対となって滲む楽器陣の熱量。 たぶんこの時点で観客のほとんどが息も絶え絶えであったのではないでしょうか。
なお、息も絶え絶えではありませんでしたが、序盤から達也さんが汗でギターをかき鳴らす新しい技法を編み出したのは鮮明に記憶しております。
無音を4分33秒演奏するピアノ曲(らしい)とか、卓球のピンポンで太鼓にスマッシュする協奏曲(みたい)を勝手に思い出してました私。この中に同士の方はいらっしゃいませんか。
中盤―5年の軌跡を余すことなく見せつける、眩暈のような時間―
ライブハウスの酸素がまるで足りなくなってきたところで、中盤戦。
時にお洒落に、時に冷たく、時にじゃれるように、次々と全曲完遂に向かって畳みかける連続ビンタ級メドレー。 シリアスだったり甘ったるいものだったりユーモラスだったり、そんな曲の寒暖差を感じさせない巧妙に仕組まれた構成。
唯一納得いかないとすれば「朝までかかってもいいのでその曲フルコーラスでしてください後生だからお願いします」という曲しかなかったことでしょうか。
この時点で相当な曲数をこなしたのですが、驚いたことに耳に残るフレーズがあまりに多いこと。
ライブって無我夢中だし、何が起きたかわかんないうちに終わってしまうワンナイトラブだと思うんですよ。
なのにね、覚えているんです。すっげぇ耳をつかんでくる歌詞とか胸キュンで心臓発作になりそうな歌詞とか、メンヘラになる薬みたいな歌詞とか。
いくら私がブログ書くために歌詞読み漁っているといえど、ライブで衝撃残してくる場面には、いつも理姫さんの歌詞がある。
こんなに曲にこだわりのあるバンド好きになれて、本当に私嬉しい。
とか冷静に言語化できたのは3日後の本日です(笑)
終盤―まんまと奪われた心は心斎橋に置いて帰りました―
終盤の熱帯夜みたいな時間は、目まぐるしく、思考全停止のまま終わりました。
キラーチューンのバーゲンセール。
コジさんが煽りの場面なのに、もう何を言ってんだかわかんないくらいしどろもどろの滑舌なのに観客みんな「いえぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇえええい」って叫んでた。バカみたいな熱量。
たぶんこのときコジさんが「この壺を1人2000万円で買って帰れ。老後など知らん。」って叫んでもみんな同じ返事してた気がする。なんかコジさん超楽しそうだった。
この辺で何回もバンビさんの目に楽しさと狂気が憑依してた。
達也さんは新技法の「汗」を何回も弾いていたんだろうけど観客が湧きすぎて聞き取れず。
本編ラストらへんは個人的に求めすぎていた終わり方だったので血管千切れるくらい熱い思いがほとばしった。「うえ…ぐへ…好き…」って嗚咽がたぶん駄々洩れだった(お近くの方ごめんなさい)。
この終盤からアンコールまでのセトリで既に「豪華なワンマンライブ」水準。中身も曲数も。
信じられないだろ…この前に数十曲演奏してんだぜ、この人達…。
結局のところ、最後の最後の曲のときに「私が5年間で一番良い思いをさせてもらった曲をさせてください」って理姫さんが言ってイントロ入ったのが馬鹿みたいに最高に泣けた。
泣け過ぎて帰り道の心斎橋筋商店街で魂が落っこちた。たぶん免税品狙いの外国人に今頃けちょんけちょんに踏まれてる。
まあいいやそれでも。最高だったから。
引き返す気など更々ない
ちょっと個人的なこと書きますね。
え、ここまで読み進めたのに興味ないですって?ブログタイトル読んでください。ここは私の独擅場です。
ブログにアカシックのことを書き始めて4か月経ちました。
もうイヤホンしなくてもアカシックの曲が自動再生できるくらい聞きこみました。耳にタコならぬ耳にBluetooth。
4か月の間、歌詞を読んでは考え、歌詞を読んでは考えを繰り返しました。
そんな私の熱量なんて軽々と上回るライブを、アカシックはやってのけました。
むしろ、自分を恨みました。
なんで私は今、恋をしていないんだろう。この歌を、理姫さんの歌う愛を、もっと失恋の傷がズタズタについた心で聴きたかった。一番痛くて一番沁みるときに、アカシックに出会いたかった、とさえ思いました。
間に合わなくなる前に、知ってほしい。
今、恋してるあなた。
今、結婚したくて拗らせているあなた。
今、寂しくてたまらないあなた。
今、かっこいい音楽が、可愛い音楽が聴きたいあなた。
全部、ここにありますよ!!!
そんな思いがますます強くなりました。
本当、絶対皆に好きになってほしい。
上書き保存された好きの感情を抱きしめて、私は今日も再生してます。
アカシック、ありがとう。
読む? にわかがモーニング娘。‘19の11人の好きなところを荒ぶった感情のまま書き殴るだけだけど。
沼での溺死は突然に
あの、突然なんですけどアラサー女がASAYAN時代ぶりにモーニング娘。‘19にドハマりしてしまった話を聞いてほしいんですよ。
にわかなんですけど、とりあえず衝動が止まらないんで書いておかないと気が済まないんですよ。
2019年春ツアーで初めて現場行って、泣きまして。
春ツアーファイナルを画面ごしに見まして、再び泣きまして。
もう何が良かったのか書こうとしたら、うまく書けなくて泣きまして。
そんな状態なんです。
涙腺に締まりがないんです。
正直、ツアーに関しては円盤を見てただけで参加は初めてだし、セトリがどうだった!とか総括なんて言えないし、というレベルなんです。
でも、にわかだからこそ新鮮な気持ちで好きってことを誰かに伝えたい。
そんな想いが私の中でむくむく芽生えてるので、勝手に書きます。
既に沼っている人も他界隈の人も、にわかに寛大な人だけ読んでね。
古代からの輪廻転生の末にハロプロの女帝を選んだ湿り気の妃
譜久村聖(ふくちゃん)
お顔立ちの上品さから考えて、多分前世は殿から大事に寵愛された御台所(みだいどころ)様だと思うんですよ。
で、前前世は宮中に住み、知らぬ男から和歌で求愛される公家の娘。
さらに、前前前世は雨乞いをする一族の長の妻。
土偶は譜久村聖の母性をモデルにしたに違いないと思うんですよ。
そんな気品と麗しさとたまに変人っぷりを持ち合わせて平成に産まれた彼女が、伝説のアイドル(嗣永桃子、亀井絵里、ミニモニ。など)に出逢ってしまって、決めてしまったんですよ。
この世ではハロプロの妃になる、と。
そんな妄想の輪廻転生説はともかく、次期ハロプロリーダー譜久村聖は貫禄も湿度も抜群。
時折掠れる歌声も、ぎゅっと絞り出すような感情表現もたまんない。
From 女 To 女でもたまんない。
譜久村聖は、女の強靭な部分も脆弱な部分も滲ませるのが巧み。
完璧なバランス感覚を搭載しているオールマイティアイドル。
小田さくらとの双璧によって演出する「モーニング娘。」感の悲しみトライライト担当。
引き続きあなたに任せます、令和のモーニング娘。を!
バク転してもコンマ1秒まで作画崩壊しない彫刻美女
生田衣梨奈(えりぽん)
ジャニーズ詳しくないんですけど、ジャニーズ並にバク転するんですよ。多分。
もう10年目の戦士なんだからゆっくりしとけば良いのに、さくっと回っちゃうんですよ。
コンサートですよ?体操の練習じゃないですよ?
それなのに、表情、視線、口元、指先、腹筋バキバキの体型、何1つブレないんですよ。
え?いつ見ても#えりぽんかわいい ですけど何かいけません?みたいな。
あれえりぽんってこんな顔だっけ?みたいなことを感じさせる瞬間さえ与えない。
普通どっかでボロ出るでしょ。
それなのに、お歌が可愛い。
拙いときもあるけどそれすら可愛い。
そんでもって、笑顔が超下手。
いや、そのイケメンもビビる彫刻みたいなお顔立ちなら、「ふっ」とか言って口元片側だけ緩ませて気障に笑ってよ。
どう考えても「くちゃ〜」って笑ってんじゃん。
「ふにゃ〜」、「へら〜」じゃん。
MC中の笑顔と客の反応だけが作画崩壊する。ある意味すごい。
ユースケサンタマリアがえりぽんを推すというのは玄人好みっぽくてなんか好きだ。
溢れるほどの光を携えた目と規則正しく躍動する四肢が武器の必殺仕事人
石田亜佑美(あゆみん、だーいし)
どこのドン・キホーテにも「涙入りカラーコンタクト」なんて売ってないはずなのに、だーいしの目、キラッキラなんですよ。
あんなに熱いステージライト浴びているのに枯渇しない潤いが溢れてくるんですよ。
田舎から希望だけを抱え込んで上京してきたピュア娘。の顔してんですよ。
22歳なのに。
もう東京8年いるのに。
で、ピュアな女の子だと思うじゃん。(絶対ピュアだけど)
そう安心して見てると、ステージのだーいしは全くの別人でびっくり仰天なのね。
全てのダンスをお手本通り、緩急まで完璧に「パキ!」「ビシ!」「ドン!」と音がなるように踊りこなす。
見ていて気持ち良いとはまさに彼女のこと。
1期先輩でかつての絶対的エース、鞘師里保の魂を引き継いでいく覚悟みたいなのが全身から溢れている。
それがオーラになって輝いている。目とともに。
小柄な体なのにスタミナが底なし沼。
ラブマシーンなグループのダンズマシーン。石田ダンスサイト。
天が間違えて色気と野心と遊び心を与えてしまった歌割ハッカー
佐藤優樹(まーちゃん)
我が推しなんで、ちょっと話が長いことは諦めてくれ。
勝手な妄想だけど、北の大地で駆け回るキタキツネに生まれる予定だったんですよ彼女。
もうなんだったら、ケセランパサランだったかもしれない。
「束縛はさせない 私は私よ」を地でいく運命だったはずなんですよ。
なのに、神様に「あれ?案外綺麗な顔してんじゃん。フォトジェニックじゃん。仕方ねえ、人間にしてやるよ!」って言われて、人間として産声あげることになるの。
そしたら、同じように「フォトジェニックだからモーニング娘。入れよ。成長は22歳まで待ってやるよ。」ってズルい男♂に言われるの。
何が言いたいかといえば、それくらい野生的なパフォーマンス。
回る回る回る回る、煽る、叫ぶ、荒ぶる、トリッキーなアレンジダンス加える、今まで聴いたことない声の出し方する、軟体動物みたいな動きする、荒ぶる、歌詞が憑依する、たまにむっちゃ可愛くて無邪気な顔する、かと思えばえっちい顔する、歌舞伎みたいな動きする、荒ぶる。
彼女のパフォーマンスはこれくらい多重人格。
存在が差し色のようで、扱いづらさとアクセントの境界線に立っている。
例えるならアイドル界の「シェフの気まぐれサラダ」。
もう二度と同じものを味わえない。
もちろん、いっぱい怒られる。賛否両論巻き起こす。
それでも、気まぐれサラダを食べたくて禁断症状を起こす人を次から次へと増やす。
気まぐれサラダプリンセス。
卒業した人の歌割をもらう。
そうすれば、いつのまにかその歌割は「まーちゃんのもの」になる。
だんだん、彼女にしか彩れない色が出てくる。「優樹様」の歌割になる。
田中れいなだろうと鞘師里保だろうと工藤遥だろうと、まんまと乗っ取る。
松岡茉優は彼女を「人の卒業の度に悪魔と契約する」と評価した。だいたい合ってる。
ちなみに、つんく♂サウンドの鳴り響いていないときは只の赤ちゃん。
解析不能、本能の生き物。
まさかその赤ちゃんが、本当に赤ちゃん役の声優仕事貰ってくるとは誰も思ってなかった。謎の器用さ。バブい。存在が名作。
発展途上、20歳なりたて、まだまだ気まぐれ続行中。
ズルい男♂が言う22歳を、サラダファンが涎を垂らして待っている。
私もそのサラダファンの一人。
声でアイドル界の頂に立つ幼子と貴婦人のハイブリッド
小田さくら(おださく)
歌が上手いなんて言葉で片付けちゃうことすら勿体ない。
努力を自信に変換してエンドレスに進化する、アイドル界のガチ頂点。
私こそがモーニング娘。ですけど文句あります?と言わんばかりの立ち姿。
歌、ダンス、目線、メイク、その全てが女帝の振る舞い。
垂れ流す汗さえ威風堂々としている。
譜久村聖と双璧をなすことによって演出する「モーニング娘。」感の、女が目立ってなぜイケナイ担当。
最後のプラチナ期メンバーですと言って紹介しても誰も疑わない。中澤姐さんの隣でモーニングコーヒー歌ってても誰も疑わない。
かと思えば、急に曲の合間に甘ったるい少女みたいな顔を覗かせる。
「セクシーなの?キュートなの?」どころではない。
「キャピキャピなの?威嚇なの?」くらい対極。
それを全力で両立できる恐ろしい二面性。
とりあえず20周年を超えたモーニング娘。曲も、彼女に任せておけば大丈夫と誰もが頷く。
信頼と実績の小田さくら。
爪を隠しすぎて油断させるタイプの能ある巻き込まれアメリカン鷹
野中美希(ちぇる)
悲しみの妃譜久村、威厳の声帯女帝小田の2トップ、加えてファンタジスタ佐藤。
歌唱メンの癖があまりに強いけど、その3人に食らい付いて歌割を着実にこなす野中ちぇる美希ティ。
不規則なインパクト型・佐藤に対して、安定の縁の下型・野中。
聴いてると、段々と英語なんだか日本語なんだかわからなくなる、最早ちぇる語。
特にラップとか、つんく♂独特の意味不明な語の羅列(褒めてる)になると、ちぇるにしか歌えないちぇる感が出る。
言語どうのこうのより音として快感、みたいな。
癖になるちぇる感。
有能なのにガンガン来ないのがまた面白い。
あ、歌えますよ?歌ってもよろしいでしょうか?くらいの物腰。
その控えめな雰囲気のせいで、油断する。
なんなら油断してる隙に、あれこれトラブルや笑いに巻き込まれてる。
この人は実はめちゃくちゃ器用だということを忘れてしまう。
是非忘れさせてほしい。何回も思い出したいから。
カリスマへの憧れから動き出してしまった無垢無敵バービー人形
牧野真莉愛(まりあんらぶりん)
道重さゆみというアイドル史の教科書に太字で載る存在に心底憧れる、ピンク色を担当するにふさわしい少女。
甘い顔立ち、不思議なオーラ。まりあんLOVEりんです。
これぞアイドルのお手本。
だと思ったら大間違い。
勘違いさせてごめんちゃいまりあ。
意味のわからないモデル体型、長い手足を生かして、120%の力で動かしまくる。
あれ、確か全員同じダンスですよね?
牧野さんだけ、10分前まで星飛雄馬みたいに大リーグボール養成ギプスつけられてて身軽になった、とかじゃないですよね?(日ハムガチファンなのであり得なくはない)
それでいて、アイドルスマイルも120%。
お顔がどこにあるかわからないくらい小顔なのに、笑ってることが超わかる。
見逃せないウインクのスコール。
映えるとか、アイドルになるために生まれてきたとか、そういう類の言葉は全部牧野真莉愛のための言葉なんだなと実感せざるを得ない。
ちなみに案外、声質もカッコいい。
それってつまりカッコいいアイドルも可愛いアイドルもできる最強の証では?
与えられたハードルは倒さない時代の到来を待つ強心臓大物ガール
羽賀朱音(あかねちん)
「最年少」という単語を冠すると、自動的にイメージがくっついてしまうんですよ。
特に、あの辻加護という伝説を生み出したモーニング娘。の最年少ならば尚更。
無邪気で何にも支配されない素朴で純粋な存在、そんなイメージ。
それを軽く覆してしまう、良い意味で生意気で貪欲な最年少。
先輩の歌割?勿論いただきます。
台詞?絶対に私のものです。
テレビ?是非とも伺います。
遠慮もなさらず、着実に羽賀朱音は自分の侵略地を拡大していく。
しかも、年上の先輩を差し置いて「ここは絶対美味しい」ってパートを次々と略奪していく。
「しれっと」という言葉があまりに似合いすぎる大物最年少。
この侵略行為でさえ、年齢不相応な大人びた正統派美女の顔立ちがあってこそ。
ちょっと強めの態度くらいで、ちょうど似合う。
そんな強気の大物最年少。
もうすぐ彼女は最年少から離れていく。
ようやく、時代が羽賀朱音に追いついてくる。
2次元から令和のアイドル史に降り立った踊るらんま1/2
加賀楓(かえでぃー)
下駄箱のラブレターを慣れた手つきでカバンに入れたり、バレンタインのチョコを何個貰ったか自慢するような類のボーイッシュじゃないんですよ、加賀楓は。
決してチャラくないんです。(それはOG工藤遥にお任せしましょう)
自分がいかに周りからチヤホヤされているかにも気づいていない、ちょっと不器用で硬派でストイックなボーイッシュなんですよ。
かといって、彼女の全てがボーイッシュな訳でもない。
キリッと前を見据える切れ長な目つき、身体のしなやかさ、最強民族の血を継ぐ乙女みたいな場面があるんですよ。
だから、らんま1/2。現役最強の2次元み。
そんな彼女がキレッキレで踊るんですよ。
決して派手ではない外見からは想像つかない程、私たちの目を捕まえに来るんですよ。
偉大なOG鞘師への憧れの炎を絶やさず、同じく戦闘民族の石田と肩を並べてるんですよ。熱い。
牧野さんと組んじゃうと美少女戦隊の悪役並のハマり具合だし、横山さんと組んじゃうとでこぼこヒロインコンビになるし。
加賀楓がいることで保たれる関係の多いこと。必要不可欠な人。
不敵なほどに0円スマイルを浮かべる朝ドラヒロイン的ナルシスト
横山玲奈(よこやん)
オリエンタルランドで10年働いてましたとか、寺田心パイセンと同期ですとか、そういう隠れた経歴がないと納得できない。
生きるニコちゃんマーク。
歩くスマイル0円。
美少女になった子犬。
令和のミニモニ。その1。
研修2ヶ月だけで強靭な体力と実力を要求するモーニング娘。に入れちゃった化け物。
もうこの話だけで、有名バンドのオープニングテーマ引っさげて朝ドラできます。
「令和、がんばれいな」、どうでしょう国営放送。
そんな彼女、時折びっくりするくらい不敵な笑みを浮かべています。
今のモーニング娘。の中で、「ここぞというときの横山」になりつつある。
そんなとき、彼女はニヤっと笑ってる。
アイドルスマイルとはちょっと違う、やってやるぞ感のある笑み。
飼い主に黙ってつまみ食いしてやろう、くらいのニヤっと具合。
そのナルシシズムさえ、もう可愛いに決まってんじゃん。
うっかりハスキーボイスと闇属性を憑依させてしまった正統派アイドル
森戸知沙希(ちいちゃん)
(ちいちゃんのために、ブログそのものの本文の色を白に変更しました)
外見だけで分類すれば、森戸知沙希はアイドルのど真ん中にいる安倍なつみ枠。
男性受けはもちろん抜群、女性からも僻むことさえ許されない絶対的正統派アイドル。
さらには低身長という条件にも恵まれる。
令和のミニモニ。その2。
モーニング娘。加入以前、嗣永桃子率いるカントリーガールズのメンバーとして活動し始めたことも、彼女の良さを生かした神采配。
だがしかし、兼任という運命の悪戯が彼女の秘められた部分を明らかにしてしまう。
「なんかようわからん悲しさ」を持つモーニング娘。の歌に、異常に似合うハスキーな声。
たしかに彼女の声も、なんかようわからんけど悲しい。切ない。愛おしい。可愛すぎてウケる。
鞘師石田牧野加賀が作り続けた「ダンスのモーニング娘。」という側面にも、食らいつくことのできる能力。
え、その顔でそのダンスなの?ヤバ。
まるで1曲に5回鞘師(佐藤優樹談)の意外性。
つまり、歌、ダンス、ビジュアル、その全てがカントリーガールズにもモーニング娘。にも求められていた奇跡の存在。
Idol of Idol.
是非あなたは真ん中にいてください。そんでもってギャル全開でいてくださいツボなんで。
もっと彼女たちを、誰か讃えて
先程も申し上げた通り、私はそろそろ良いお歳のアラサーです。
後藤真希が「チッス。あたし、明日からセンターだからよろしく。」みたいな顔して金髪のまんまオーディションに来たときのASAYANをリアルタイムで観ていた人です。
そんなお歳なもんで、彼女たちを好きになるのにちょっとだけ躊躇があった。
え、この歳でアイドル…?という類の躊躇である。
でも今は、なーんにも恥じてません。
このどハマりするべき美少女戦士みたいな集団、つんく♂氏の書く女性の心の奥の奥、見てるだけの赤の他人さえ泣けてくる努力と成長と競い合いの歴史、全部。
こりゃすっごい。ものごっつい。
ハマるのが恥ずかしい?
何言ってんの?
ハマって当然でしょ?
今はそんな気持ち。
この気持ちを、是非ともアイドルヲタでもなんでもない人にもわかってほしい!
そんな思いで荒ぶってみました。
私みたいにあんまりアイドル慣れしてない人、えげつないブームの時期のモーニング娘。で記憶が止まってる人、そんな人に好きの気持ちを繋げたら良いなと密かに願ってます。
私もまだまだにわか。
これからもっと深掘りします。
ベストアルバム発売記念に書いた記事。
普段は全く別界隈の記事書いてます。自信をもって布教したいので、とりあえず読んで。
別に付録目当てに雑誌買ったって良いじゃん。ー馬鹿になんて出来ないカップリング編ー
おまけ。
隙がない。
好きしかない。
そんなカップリングたちについての愛。
ノンフィクション
ヴィレヴァン限定販売シングルとして発売された「スーパーサマーライン〜消えたはずのセレブのあいつ〜」カップリング。
会場で急に再販しているときがあるので、見つけたら買うべき。脊髄反射で買うべき。
友達3人と有名人だけフォローした裏アカのタイムラインみたいな、生々しさの濃度が異常に高い曲。
あ、もちろん彼氏と彼氏にやたら近くて気にくわない女のアカウントも見てるけどね。フォローはしないけど全部遡って見てるよ?みたいな裏アカウントね。
(皆さんはそんなことしたことあります?私は若かりし頃そんなことばかりしていました。
今は病状も落ち着いています。)
iTunesでも買えないので歌詞は引用いたしませんが、「死にたい」という言葉が出てくるアカシックの楽曲はとても希少です。
若さ漲ってる。
まだ理姫さん、奥脇達也氏、バンビ氏の3人での活動時期なので、演奏も血の気盛んな気配が漂います。
若さ漲ってる。
いわゆる世間のいうところの「メンヘラ」なのですが、理姫さんが書くと歌詞というより口語自由詩と分類したくなるようなフレーズが挟まるところが好き。
もう一度言います。
見つけたら買うべき。脊髄反射で買うべき。
財布の中身がどうとか脳で確認する前に買うべき。
福富朝陽
メジャーデビューシングル「愛×Happy×クレイジー」カップリング。
路地裏の湿気、嫌になる程飲んですっきりしない朝帰りの時間を想起させるミディアムナンバー。
間違いなく曲の肝はバンビ氏のベース。
「ママ、大人になれば
こんなもんだったの
わたしの夢って
余裕も無い 狭い街での日々と感情論だったの」
なんてこった。
落胆の仕方さえお洒落。
恋の最中にくだらない悩みを抱えること、「1円にすらなんない」ことに苛立ちを覚えること、飲み歩かなきゃやってられないような気持ちになること。
「大人」って案外呆気なく辿りついちゃうという事実が消化しきれない、これは間違いなく理姫さんの言葉でありながら私たち現代人みんなの歌です。
それでも、この歌は「朝陽」。
夜は明ける。
明けちゃったなら、どうにかなるわ。
そんな一歩が描かれていることに私は救いを感じます。
平成へゴー!
福富朝陽同様、メジャーデビューシングル「愛×Happy×クレイジー」カップリング。
この曲には黒柳リヒ子がいます。
そして奥脇セクシーボイス達也がいます。
それだけで買うのは必至。
(話は逸れますがコジさんのコーラスは優しさと甘さ、達也さんのコーラスは色気と野生と良い感じで担当が分かれてると思ってる)
昭和末期の日本にタイムスリップできる遊び心。
70年代80年代に恋い焦がれた理姫さんと、「J-POP」のカッチョ良さを追い求めた奥脇氏の作品だからこそ、こんな達者なおふざけもできるのでしょう。
さあ、次は「令和へ参ります」のリリースお待ちしております。さよなら!
エンドオブザワールド
セカンドシングル「オレンジに塩コショウ」カップリング。
初期から温めた珠玉の名作。
その頃ライブハウスで生で聴きたかった…
岡崎京子さんの短編集に同名の短編集があります。
うまく言葉では言い表せませんが、岡崎京子さんの作品と理姫さんの歌詞は、終わりを見せない飲み込み方、パステルな色で描く虚無感みたいなところが何となく共鳴しているように感じます。
何でもない日常の中で思い出す、幸福の絶頂とそれを喪った現実。
プラスの世界もマイナスの世界も見たからこそ願う、私の幸せ。
ずっと続くような小気味よい曲調が、突然分断されたように終わるところもまた、無常さや時間の有限を物語っているように思えてなりません。