別に付録目当てに雑誌買ったって良いじゃん。ー馬鹿になんて出来ないカップリング編ー
おまけ。
隙がない。
好きしかない。
そんなカップリングたちについての愛。
ノンフィクション
ヴィレヴァン限定販売シングルとして発売された「スーパーサマーライン〜消えたはずのセレブのあいつ〜」カップリング。
会場で急に再販しているときがあるので、見つけたら買うべき。脊髄反射で買うべき。
友達3人と有名人だけフォローした裏アカのタイムラインみたいな、生々しさの濃度が異常に高い曲。
あ、もちろん彼氏と彼氏にやたら近くて気にくわない女のアカウントも見てるけどね。フォローはしないけど全部遡って見てるよ?みたいな裏アカウントね。
(皆さんはそんなことしたことあります?私は若かりし頃そんなことばかりしていました。
今は病状も落ち着いています。)
iTunesでも買えないので歌詞は引用いたしませんが、「死にたい」という言葉が出てくるアカシックの楽曲はとても希少です。
若さ漲ってる。
まだ理姫さん、奥脇達也氏、バンビ氏の3人での活動時期なので、演奏も血の気盛んな気配が漂います。
若さ漲ってる。
いわゆる世間のいうところの「メンヘラ」なのですが、理姫さんが書くと歌詞というより口語自由詩と分類したくなるようなフレーズが挟まるところが好き。
もう一度言います。
見つけたら買うべき。脊髄反射で買うべき。
財布の中身がどうとか脳で確認する前に買うべき。
福富朝陽
メジャーデビューシングル「愛×Happy×クレイジー」カップリング。
路地裏の湿気、嫌になる程飲んですっきりしない朝帰りの時間を想起させるミディアムナンバー。
間違いなく曲の肝はバンビ氏のベース。
「ママ、大人になれば
こんなもんだったの
わたしの夢って
余裕も無い 狭い街での日々と感情論だったの」
なんてこった。
落胆の仕方さえお洒落。
恋の最中にくだらない悩みを抱えること、「1円にすらなんない」ことに苛立ちを覚えること、飲み歩かなきゃやってられないような気持ちになること。
「大人」って案外呆気なく辿りついちゃうという事実が消化しきれない、これは間違いなく理姫さんの言葉でありながら私たち現代人みんなの歌です。
それでも、この歌は「朝陽」。
夜は明ける。
明けちゃったなら、どうにかなるわ。
そんな一歩が描かれていることに私は救いを感じます。
平成へゴー!
福富朝陽同様、メジャーデビューシングル「愛×Happy×クレイジー」カップリング。
この曲には黒柳リヒ子がいます。
そして奥脇セクシーボイス達也がいます。
それだけで買うのは必至。
(話は逸れますがコジさんのコーラスは優しさと甘さ、達也さんのコーラスは色気と野生と良い感じで担当が分かれてると思ってる)
昭和末期の日本にタイムスリップできる遊び心。
70年代80年代に恋い焦がれた理姫さんと、「J-POP」のカッチョ良さを追い求めた奥脇氏の作品だからこそ、こんな達者なおふざけもできるのでしょう。
さあ、次は「令和へ参ります」のリリースお待ちしております。さよなら!
エンドオブザワールド
セカンドシングル「オレンジに塩コショウ」カップリング。
初期から温めた珠玉の名作。
その頃ライブハウスで生で聴きたかった…
岡崎京子さんの短編集に同名の短編集があります。
うまく言葉では言い表せませんが、岡崎京子さんの作品と理姫さんの歌詞は、終わりを見せない飲み込み方、パステルな色で描く虚無感みたいなところが何となく共鳴しているように感じます。
何でもない日常の中で思い出す、幸福の絶頂とそれを喪った現実。
プラスの世界もマイナスの世界も見たからこそ願う、私の幸せ。
ずっと続くような小気味よい曲調が、突然分断されたように終わるところもまた、無常さや時間の有限を物語っているように思えてなりません。