好きにさせてよ。

好きにさせてよ。

偏食な趣味を、つらつら綴る。字圧強め文字のブルドーザー。可愛い連中/モーニング娘。など

読む?にわかがモーニング娘。OGについて書き足してみたら膨大な文章になったんだけど。

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この度は誠に申し訳ございません。

 

先日、公開いたしましたモーニング娘。‘19についての記事につきまして、お詫びと訂正がございます。

 

tsukino25.hatenablog.com

 

モーニング娘。というアイドル集団は、卒業と加入という地殻変動を常に繰り返しながら成長をし続けるモンスターたちであるにもかかわらず、OGメンバーについての記述がなされておりませんでした。

にわかであるということを踏まえましても、真のモーニング娘。の尊さをお伝えできなかったことにつきまして、反省の意を表したいと思います。

 

 

なんて言っておりますが。

書きたくなっちゃいました、OGメンバーの好きなところ。

「豚もおだてりゃ木に登る」以外の何物でもありません。

 

1期から延々書いていきますと眠気をただ売りしてくる歴史の教科書みたいになってしまうので、9期以降ということでお願いします。

またまた、にわかに寛大な大海原の心の持ち主さんはぜひお読み下さい。

 

 

 

 

娘。の明るい未来に就職希望を出しに来た永遠の演舞戦隊ヒーローアイドル

鞘師里保(さやし、りほりほ)

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鞘師里保名前から既にみなぎる圧倒的主人公感。

この難読漢字が一発で読めることがファンのステイタス。

りほりほ、やっさん、色々呼び名はあれど「鞘師」と呼ぶことにこそ意味があるような気がする。

すき焼きや畳が英語でも「SUKIYAKI」「TATAMI」であるように、鞘師もまた「SAYASHI」なのだ。

ちなみに何言っているか自分でもよくわからない。

 

とにかく、たった一人、あなたしか居ない。

素敵な女性だと表彰状もらうべき存在。 そんな絶対的存在。

 

彼女が担当したのは単なるアイドルの赤じゃない。

そう、長らく日の目を見ず冷たい風の中で苦しんでいたモーニング娘。を助けに来た戦隊ヒーローの赤。

過去に例を見ない戦闘アイドル。

あんなに腹筋むき出しの衣装着てるのにどこに変身ベルト付いてたのか。

しゅわしゅわポンは密かな変身の合言葉だったのか。

 

瑞々しい黒髪と何でも買ってあげたいベビーフェイス。

可愛いらしいという印象を瞬きする間に覆す、凄まじいバキバキダンススキル。

未来を背負う可能性をべらぼうに感じさせる魂の歌声。

私たちの鼓膜に響かせることでリズムの徹底を証明する語尾の呪文、「ぃーやっ」

そのハイスペックを達成するために、私生活で必要な頭のネジを全てステージでのスキルに回すというストイックさ。

人魚姫が声と引き換えに脚を手に入れたように、鞘師はエースと引き換えにぽんこつを手に入れた。

そしてぽんこつを手に入れたおかげで、大勢のファンからの深い深い愛を手に入れた。

 

そんな深い愛の中で誰よりもモーニング娘。のために闘った鞘師は、己の青春を、人生を、まるごと伝説に変えた。

エースカラーである赤色が空席だったことも、プラチナ期がスキル向上しすぎて熟成していたことも、すっぴん歌姫小田という容赦なく襲い掛かる後輩が未来で待ち構えていたことも、全ては鞘師のために仕組まれていたんです絶対。

そう、道重が卒コンで鞘師の唇を奪ったように、仕組まれていたんです絶対。

 

つんく♂さえも、あなたとの出会いによって歌謡曲エッセンスとEDMの融合という変態音楽(褒めている)を量産することになるのだから、果たしてその運命はいつから決まっていたのか。

つんく♂の未来さえ変える女。ズルい女。

 

潔い終わり方で、扉の向こうの大空に羽ばたいた鞘師。

今どこで闘ってくれているのだろう。

愛しの君へ。 急に寂しくなったら、またステージに遊びに来てよ。

 

 

観音様の心を持つ1億3千万総スマイル王国の母

鈴木香音(ズッキ)

 

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ハロプロより厳しいことを要求される集団なんて、宝塚か五輪代表くらいしかないんじゃないか。

そんなダンスと歌のプロ集団に飛び込もうとするオーディションで「コントやります」と申し出ることのできる度胸の大きさって、どれくらいなんだろう?

 

アイドルの寿命は泡沫。 可愛いだけで不器用にしか生きれぬ子は、人々の記憶にそう容易く残れない。

そんな中、ズッキの真夏の光線のごとき笑顔 は人々の記憶に住み着くレベル。(定住。賃貸ではなく分譲。)

 

元気をもらえるとか楽しいとかそんな境地ではない。

実家で食べきれないくらい大量のおかずをこしらえて反抗期の娘でも暖かく迎えいれてくれる母の懐の深さみたいな笑顔。

 

加えて、色っぽくてユニゾンにひたすら強い「ええ声」はサンドイッチに必ず入るレタス的なポジション。

ええんよ、名前はチキンサンドとかハムサンドとか玉子サンドにしたら。私は隣にいとくから的な。背骨の緑。

 

たくさんの向かい風を浴びたこともあっただろう。

それでも、麗らかなあなたのVisionを皆が期待している。

 

 

弩級の美とハスキーボイスで軟派イケメンと可憐なアイドルを演じ分ける聖域生まれエッグ育ち

工藤遥(どぅー)

 

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ファン層の女性率を上げることに貢献するだけに留まらず、事務所の先輩後輩たちまで翻弄してしまう天性のナルシストチャラ男(?)キャラ

それに相反するように、性別なんか超越して万人に超ドキドキを与えてくれる天使のビジュアル。 ショートカットは美少女しか似合わないという通説を証明する存在。

最強の可愛いの暴力八重歯

黄色い歓声を次から次へと生み出す恋心の怪盗。

 

それでいて、ハスキーボイス。

それでいて、厨二病

つまり狂犬チワワ

過去にアイドル界で狂犬と呼ばれた少女は他にいるのだろうか。

工藤遥とキャラ被りするアイドルなんて未来永劫いない気がする。

 

でも、キャラが立っているだけで工藤遥の人気は語れない。

 

負けず嫌い。

同期へのライバル心。

誰よりも腰に力の入るダンス。

声質の限界を感じさせないニゾンでの厚み担当。

最年少加入と思えない統率力。

案外隠されているけど高め女子力。

そして、彼女の未来を決定づけた舞台での破格の活躍。

 

いくら煮物を作ろうがハチマキを手に巻こうが、言うだけ番長になんてならない努力家。

翼を広げた工藤遥の今後が是非とも楽しみである。

 

 

薄くて軽い氷のつぼみでたこ焼きを包むギャップの舞姫

尾形春水(はーちん)

 

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ギャップという言葉はもうアイドル界で飽和状態ではないでしょうか。

 

アイドルなのに◯◯、女の子だけど△△、わかりやすいギャップなら今更何のサプライズもありません。

 

賢いのにアイドル。

透明感がある大阪出身。

フィギュアスケーターからモーニング娘。の12期メンバー。

一般人からアイドルの伝統芸能ハロプロ入り。

 

ここまでならそれ程予想を裏切りません。ここまでなら。

 

脆弱そうな色白美少女なのに放送禁止レベルの変顔の達人。

正統派アイドルなのに何のためらいもなくAAAとか言っちゃう。

未経験とかそんな言葉では片付けられない独特の音程暴走。事前に提出された予定表にはトリプルサルコウだって書いてるのに見てみたらイナバウアー解析不能

 

それでも、尾形春水を応援したくなる。

ついつい目で追ってしまう。どうして、Help me。

 

直向きな姿。笑顔。普通の女の子が破格のパフォーマンス集団についていくと決めた静かな覚悟。

いろんないろんな奴がいるからモーニング娘。って良い。

それを存在で教えてくれた。 儚くて愛おしいシーブルーのつぼみ。

 

美学ある生き方を望み、潔く退いた気高さのある尾形春水

希望の光が絶えぬことを祈ります。

 

 

隠し切れない蜂蜜の甘さを滲ませるおしゃべりスレンダー美女

飯窪春菜(はるなん)

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今から無茶な仮定を言います。

 

あなたは、モーニング娘。10期オーディションで飯窪春菜に出会ったつんく♂です。

 

最年長オーディション参加者。

細身の身体、長い手足。 流れるようなストレートロングの黒髪。

目が大きくて派手な顔立ち。

まさに容赦しないばっちりイケ女。

 

さて、あなたなら彼女をどんな風に評価する?どうやって売り出そうと考える?

私ならシシドカフカにする。

 

つんく♂は言いました。飯窪春菜は「萌え」だと。

 

事実、彼女のデビュー後は少しイメージと違うものになりました。

 

道重を継承する加工向き甘めボイス

なんか気づけば困り眉

拙いダンスと歌唱だったのに、気がつけば先頭集団についていく成長物語

なるほど、これを「萌え」と言わずに何と呼ぶ。

チョコレート色からハニー色という、やたら甘ったるい色のメンバーカラーを連ねたこともなんだか奇遇な巡り合わせ。

 

加えてお笑い怪獣さんまと容易くキャッチボールができる軽快なトーク力。

娘。異色の個性がギラギラ。

 

卒業まで、彼女はイケ女と萌えのバランスを取り続けました。

パンツスタイルの卒業コンサートドレスという奇抜なセンスと、そのドレスに無理を感じさせないスタイルの良さ。

なのにお手紙で噛んじゃう。普段のトーク力を吹っ飛ばす萌え。

つんく♂、タイムトリップしてこの場面を見てたのかな。

 

未練を抱かず、新しい世界で現在進行形の活躍をする飯窪春菜

あなたなら遠い星まで行けそう。期待しかない。

 

 

 

すっごい好きだから すっごい寂しい

6月22日(土)、いよいよモーニング娘。15期メンバーが入ってきます。
新しいモーニング娘。になるための脱皮がまた始まろうとしています。

いつ誰が入ってくるか、わからない。
いつ推しがいなくなるか、わからない。

見る度に姿を変えるモーニング娘。ちゃんたちを、見逃すタイミングなどないでしょ!

 

 

 

 

蛇足が多すぎて蛇がムカデになりそうな後書き

 

その1
ご卒業済のメンバーは、既に娘。としての活動を「完成」させたと解釈したのでちょっと長めに書きました。
現役の娘。ちゃんはこれからまた色んな記事で、色んな切り口で魅力をお伝えできればと思います。

 

その2
本文中にいくつかの宝探しを散りばめてます。良ければ探してみてください。

 

その3
前回現役についての記事を書きましたところ、思わぬ反響がありました。
まるで想像もしていなかったことですので、未だに頭がパニックになっています(笑)
お読みいただいた方、お広めいただいた方、誠にありがとうございます。

ゆるゆると娘。ちゃんについて書く記事も増やしていくつもりですので、ゆるゆるとお付き合いいただければ幸いです。

 

その4

娘。ちゃん、ロッキンGRASS STAGEおめでとう!!

 

 

 

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 普段書いている別界隈も置いてます。

 

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知らない君を振り向かせたい

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Mr FANCY

Mr FANCY

  • provided courtesy of iTunes

 

冷めない熱を手あたり次第に話したい

 

行って良かったとか、知ることができて良かったとか、そんな規模ではなく、地球があって良かったみたいな感情が全身を駆け巡りました。身体の痺れが止まりません。

ちょっとだけ嘘です。 脚が痺れていて尚且つ浮腫みが取れないのは、私が久々にライブで全力ジャンプしたからです。3日間くらい親友はメディキュットです。

でも、それ以外大体本当です。

情報がスッカスカ骨粗しょう症なんで5W1Hでご紹介いたします。

2019年6月15日大阪ミナミで開催されましたアカシック5周年記念ワンマンライブ「小ぬか雨降る御堂筋」(なんと5年分の全63曲を2日で演奏するという暴挙ワンマン)にぼっちの私が参戦して参りました。

は?なぜ行った?聞く?アカシックほど私の息の根を止めることができるバンドなんていないからですよ。

え?どうだった?これからそれをキーボード叩き割るくらいに書くけど「一生信じるから絶望行きの片道切符でも構わないのでどうぞ私のことお好きに連れまわしてください」ですよ、要約すれば。

 

それで。書くにあたって考えたことなのですが、元々曲を知っている人だけが読んで楽しめる記事じゃもったいないなって。

日本食しか食べたことない人にパクチーの味を伝えるのに「トムヤムクンがね」って話し出したら指でスマホの上方向にしゅっとされちゃいそうで。悔しい悔しい!ってなるので。

ちゃんと私がどこにどう興奮したか伝えたいんです。カップの下に残されて沈んだタピオカみたいになりたくないんです。

 

今回、公式もセットリストは発表していません。なので、今回は曲名ゼロのライブレポートです!

新参者、迷い込んだ者、何かに唆されてこのブログを踏んじゃった者!

どなたでもカモン!(あくまで個人の感想だということにご理解の程よろしくお願いいたします。)

 

 

 

アカシックをまだご存じない人のための簡単メンバー紹介

(敬称略)

 

理姫(ボーカル)色気がメイクして服着て歌っている。アイドル声にスナックトーク。ステージに手鏡とか愛犬を模したクッションとかアイスコーヒ―とか置きまくってそこに女子の部屋を完成させる。メンヘラの心を抉り出し、現実を叩き付け、それでも生きる強さと世界の美しさをそっと女の傍に置いてくれるような歌詞を作って歌う。客席からの歓声がジャニーズのコンサートみたいな女性率。知らんけど。とりあえず可愛い。最高。

 

奥脇達也(ギター)山梨の狂犬。半袖半パンで虫取りに来た少年かしらと思わせておいて、理姫さんの歌詞をパワーアップさせるロディアスエモポップキュートロックヨコハマソングを作る奇才どや顔でかき鳴らすギター、時々ワイルドセクシーボイス。常に前のめりで客煽りがち。最高。

 

黒川バンビ絢太(ベース)世のイケメンを全員コラージュしたら完成したみたいな端正な顔立ち。ラブレットはもう顔に同期している。曲を引き立てるスパイスのような渋め隠し味ベース。わかる人にはわかりすぎる。キマってくると焦点定まっていない感じで狂気に埋もれて演奏に没頭する。最高。

 

山田康二郎(ドラム):なんかむっちゃ楽しそうにドラム叩いてくれる。かと思えば、突如マッドサイエンティストみたいに髪をぶんぶん振り回してネジ外れたみたいな演奏になっている。常人に見せかけたスーパードラマー。油断すると優しすぎて失神しそうなコーラス歌う。MCがんばれ。最高。

 

翔汰(サポートキーボード)サポートなのに全員の弟みたいに可愛がられている。ステージに咲く一輪の癒しという花。全63曲という膨大な曲数を華麗に弾きこなす。全力ライブを支えてくださったという意味でも最高。(本当にありがとうございました)

 

 

序盤―油断させたところで堕とす色女と色男たち―

 

全63曲÷2日=31.5曲を演奏する必要がある今回のワンマンライブ。

私は、冒頭から意識をかっさらうようなセットリストになるのではないかと軽率に予想していました。

なにせ、31曲分ファンを引き連れる必要があるのですから、初っ端から正気を喪失させてくるんじゃないかと。

 

いとも簡単に裏切られました。

 

私たちのどこを切り取っても良い曲しかないんだから、私たちの好きにさせてもらうよ。

そんな覚悟がぐっと迫って見えてくる、余裕のある幕開け。

ライブハウスに立ち込める熱気と汗ばむ肌を、心地よいとさえ感じ始める恍惚の時間。

 

しかし、次の瞬間には鋭利な刃物でぶった切られたような攻めが襲い掛かってくる。第二の裏切りです。

そこからは、もうアカシックの魔性を凝縮した展開。

 

理姫さんの切迫感のある絞り出す歌声、メンバーの狂気を帯びた演奏、なるほど理姫さんが事前に「メンヘラになっておいてください」と予告しただけのことはある。

理姫さんのシリアスな眼差し、妖艶さが際立つことで、自然と対となって滲む楽器陣の熱量。 たぶんこの時点で観客のほとんどが息も絶え絶えであったのではないでしょうか。

 

なお、息も絶え絶えではありませんでしたが、序盤から達也さんが汗でギターをかき鳴らす新しい技法を編み出したのは鮮明に記憶しております。

無音を4分33秒演奏するピアノ曲(らしい)とか、卓球のピンポンで太鼓にスマッシュする協奏曲(みたい)を勝手に思い出してました私。この中に同士の方はいらっしゃいませんか。

 

中盤―5年の軌跡を余すことなく見せつける、眩暈のような時間―

 

ライブハウスの酸素がまるで足りなくなってきたところで、中盤戦。

 

時にお洒落に、時に冷たく、時にじゃれるように、次々と全曲完遂に向かって畳みかける連続ビンタ級メドレー。 シリアスだったり甘ったるいものだったりユーモラスだったり、そんな曲の寒暖差を感じさせない巧妙に仕組まれた構成。

唯一納得いかないとすれば「朝までかかってもいいのでその曲フルコーラスでしてください後生だからお願いします」という曲しかなかったことでしょうか。

 

この時点で相当な曲数をこなしたのですが、驚いたことに耳に残るフレーズがあまりに多いこと。

ライブって無我夢中だし、何が起きたかわかんないうちに終わってしまうワンナイトラブだと思うんですよ。

なのにね、覚えているんです。すっげぇ耳をつかんでくる歌詞とか胸キュンで心臓発作になりそうな歌詞とか、メンヘラになる薬みたいな歌詞とか。

いくら私がブログ書くために歌詞読み漁っているといえど、ライブで衝撃残してくる場面には、いつも理姫さんの歌詞がある。

こんなに曲にこだわりのあるバンド好きになれて、本当に私嬉しい。

 

とか冷静に言語化できたのは3日後の本日です(笑)

 

 

終盤―まんまと奪われた心は心斎橋に置いて帰りました―

 

終盤の熱帯夜みたいな時間は、目まぐるしく、思考全停止のまま終わりました。

キラーチューンのバーゲンセール。

コジさんが煽りの場面なのに、もう何を言ってんだかわかんないくらいしどろもどろの滑舌なのに観客みんな「いえぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇえええい」って叫んでた。バカみたいな熱量。

たぶんこのときコジさんが「この壺を1人2000万円で買って帰れ。老後など知らん。」って叫んでもみんな同じ返事してた気がする。なんかコジさん超楽しそうだった。

 

この辺で何回もバンビさんの目に楽しさと狂気が憑依してた。

達也さんは新技法の「汗」を何回も弾いていたんだろうけど観客が湧きすぎて聞き取れず。

 

本編ラストらへんは個人的に求めすぎていた終わり方だったので血管千切れるくらい熱い思いがほとばしった。「うえ…ぐへ…好き…」って嗚咽がたぶん駄々洩れだった(お近くの方ごめんなさい)。

 

この終盤からアンコールまでのセトリで既に「豪華なワンマンライブ」水準。中身も曲数も。

信じられないだろ…この前に数十曲演奏してんだぜ、この人達…。

 

結局のところ、最後の最後の曲のときに「私が5年間で一番良い思いをさせてもらった曲をさせてください」って理姫さんが言ってイントロ入ったのが馬鹿みたいに最高に泣けた。

泣け過ぎて帰り道の心斎橋筋商店街で魂が落っこちた。たぶん免税品狙いの外国人に今頃けちょんけちょんに踏まれてる。

まあいいやそれでも。最高だったから。

 

 

引き返す気など更々ない

 

ちょっと個人的なこと書きますね。

え、ここまで読み進めたのに興味ないですって?ブログタイトル読んでください。ここは私の独擅場です。

 

ブログにアカシックのことを書き始めて4か月経ちました。

もうイヤホンしなくてもアカシックの曲が自動再生できるくらい聞きこみました。耳にタコならぬ耳にBluetooth

4か月の間、歌詞を読んでは考え、歌詞を読んでは考えを繰り返しました。

 

そんな私の熱量なんて軽々と上回るライブを、アカシックはやってのけました。

むしろ、自分を恨みました。

なんで私は今、恋をしていないんだろう。この歌を、理姫さんの歌う愛を、もっと失恋の傷がズタズタについた心で聴きたかった。一番痛くて一番沁みるときに、アカシックに出会いたかった、とさえ思いました。

 

間に合わなくなる前に、知ってほしい。

 

今、恋してるあなた。

今、結婚したくて拗らせているあなた。

今、寂しくてたまらないあなた。

今、かっこいい音楽が、可愛い音楽が聴きたいあなた。

 

全部、ここにありますよ!!!

 

そんな思いがますます強くなりました。

本当、絶対皆に好きになってほしい。

 

上書き保存された好きの感情を抱きしめて、私は今日も再生してます。

アカシック、ありがとう。

 

 


アカシック「8ミリフィルム」

 

 

 

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読む? にわかがモーニング娘。‘19の11人の好きなところを荒ぶった感情のまま書き殴るだけだけど。

沼での溺死は突然に

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あの、突然なんですけアラサー女がASAYAN時代ぶりにモーニング娘。19にドハマりしてしまった話を聞いてほしいんですよ。

にわかなんですけど、とりあえず衝動が止まらないんで書いておかないと気が済まないんですよ。

 

 

2019年春ツアーで初めて現場行って、泣きまして。

春ツアーファイナルを画面ごしに見まして、再び泣きまして。

もう何が良かったのか書こうとしたら、うまく書けなくて泣きまして。

そんな状態なんです。

涙腺に締まりがないんです。

 

正直、ツアーに関しては円盤を見てただけで参加は初めてだし、セトリがどうだった!とか総括なんて言えないし、というレベルなんです。

でも、にわかだからこそ新鮮な気持ちで好きってことを誰かに伝えたい。

そんな想いが私の中でむくむく芽生えてるので、勝手に書きます。

 

既に沼っている人も他界隈の人も、にわかに寛大な人だけ読んでね。

 

 

 

 

古代からの輪廻転生の末にハロプロの女帝を選んだ湿り気の妃

譜久村聖(ふくちゃん)

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お顔立ちの上品さから考えて、多分前世は殿から大事に寵愛された御台所(みだいどころ)様だと思うんですよ。

で、前前世は宮中に住み、知らぬ男から和歌で求愛される公家の娘

さらに、前前前世雨乞いをする一族の長の妻

土偶譜久村聖の母性をモデルにしたに違いないと思うんですよ。

 

そんな気品と麗しさとたまに変人っぷりを持ち合わせて平成に産まれた彼女が、伝説のアイドル(嗣永桃子亀井絵里ミニモニ。など)に出逢ってしまって、決めてしまったんですよ。

この世ではハロプロの妃になる、と。

 

そんな妄想の輪廻転生説はともかく、次期ハロプロリーダー譜久村聖貫禄も湿度も抜群。

時折掠れる歌声も、ぎゅっと絞り出すような感情表現もたまんない。

From To 女でもたまんない。

譜久村聖は、女の強靭な部分も脆弱な部分も滲ませるのが巧み。

完璧なバランス感覚を搭載しているオールマイティアイドル。

小田さくらとの双璧によって演出するモーニング娘。」感の悲しみトライライト担当

引き続きあなたに任せます、令和のモーニング娘。を!

 

 

 

 

バク転してもコンマ1秒まで作画崩壊しない彫刻美女

生田衣梨奈えりぽん

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ジャニーズ詳しくないんですけど、ジャニーズ並にバク転するんですよ。多分。

もう10年目の戦士なんだからゆっくりしとけば良いのに、さくっと回っちゃうんですよ。

コンサートですよ?体操の練習じゃないですよ?

それなのに、表情、視線、口元、指先、腹筋バキバキの体型、何1つブレないんですよ。

え?いつ見ても#えりぽんかわいい ですけど何かいけません?みたいな。

あれえりぽんってこんな顔だっけ?みたいなことを感じさせる瞬間さえ与えない。

普通どっかでボロ出るでしょ。

 

それなのに、お歌が可愛い。

拙いときもあるけどそれすら可愛い。

そんでもって、笑顔が超下手。

いや、そのイケメンもビビる彫刻みたいなお顔立ちなら、「ふっ」とか言って口元片側だけ緩ませて気障に笑ってよ。

どう考えても「くちゃ〜」って笑ってんじゃん。

「ふにゃ〜」、「へら〜」じゃん。

MC中の笑顔と客の反応だけが作画崩壊する。ある意味すごい。

 

ユースケサンタマリアがえりぽんを推すというのは玄人好みっぽくてなんか好きだ。

 

 

 

 

溢れるほどの光を携えた目と規則正しく躍動する四肢が武器の必殺仕事人

石田亜佑美(あゆみん、だーいし)

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どこのドン・キホーテにも「涙入りカラーコンタクト」なんて売ってないはずなのに、だーいしの目、キラッキラなんですよ。

あんなに熱いステージライト浴びているのに枯渇しない潤いが溢れてくるんですよ。

田舎から希望だけを抱え込んで上京してきたピュア娘。の顔してんですよ。

22歳なのに。

もう東京8年いるのに。

 

で、ピュアな女の子だと思うじゃん。(絶対ピュアだけど)

そう安心して見てると、ステージのだーいしは全くの別人でびっくり仰天なのね。

全てのダンスをお手本通り、緩急まで完璧に「パキ!」「ビシ!」「ドン!」と音がなるように踊りこなす。

見ていて気持ち良いとはまさに彼女のこと。

 

1期先輩でかつての絶対的エース、鞘師里保の魂を引き継いでいく覚悟みたいなのが全身から溢れている。

それがオーラになって輝いている。目とともに。

小柄な体なのにスタミナが底なし沼。

ラブマシーンなグループのダンズマシーン。石田ダンスサイト。

 

 

 

 

天が間違えて色気と野心と遊び心を与えてしまった歌割ハッカー

佐藤優樹(まーちゃん)

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我が推しなんで、ちょっと話が長いことは諦めてくれ。

 

勝手な妄想だけど、北の大地で駆け回るキタキツネに生まれる予定だったんですよ彼女。

もうなんだったら、ケセランパサランだったかもしれない。

「束縛はさせない 私は私よ」を地でいく運命だったはずなんですよ。

 

なのに、神様に「あれ?案外綺麗な顔してんじゃん。フォトジェニックじゃん。仕方ねえ、人間にしてやるよ!」って言われて、人間として産声あげることになるの。

そしたら、同じように「フォトジェニックだからモーニング娘。入れよ。成長は22歳まで待ってやるよ。」ってズルい男♂に言われるの。

 

何が言いたいかといえば、それくらい野生的なパフォーマンス。

回る回る回る回る、煽る、叫ぶ、荒ぶる、トリッキーなアレンジダンス加える、今まで聴いたことない声の出し方する、軟体動物みたいな動きする、荒ぶる、歌詞が憑依する、たまにむっちゃ可愛くて無邪気な顔する、かと思えばえっちい顔する、歌舞伎みたいな動きする、荒ぶる。

 

彼女のパフォーマンスはこれくらい多重人格。

存在が差し色のようで、扱いづらさとアクセントの境界線に立っている。

例えるならアイドル界の「シェフの気まぐれサラダ」。

もう二度と同じものを味わえない。

 

もちろん、いっぱい怒られる。賛否両論巻き起こす。

それでも、気まぐれサラダを食べたくて禁断症状を起こす人を次から次へと増やす。

気まぐれサラダプリンセス。

 

卒業した人の歌割をもらう。

そうすれば、いつのまにかその歌割は「まーちゃんのもの」になる。

だんだん、彼女にしか彩れない色が出てくる。「優樹様」の歌割になる。

田中れいなだろうと鞘師里保だろうと工藤遥だろうと、まんまと乗っ取る。

松岡茉優は彼女を「人の卒業の度に悪魔と契約する」と評価した。だいたい合ってる。

 

ちなみに、つんく♂サウンドの鳴り響いていないときは只の赤ちゃん。

解析不能、本能の生き物。

まさかその赤ちゃんが、本当に赤ちゃん役の声優仕事貰ってくるとは誰も思ってなかった。謎の器用さ。バブい。存在が名作。

 

 

発展途上、20歳なりたて、まだまだ気まぐれ続行中。

ズルい男♂が言う22歳を、サラダファンが涎を垂らして待っている。

私もそのサラダファンの一人。

 

 

 

 

声でアイドル界の頂に立つ幼子と貴婦人のハイブリッド

小田さくら(おださく)

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歌が上手いなんて言葉で片付けちゃうことすら勿体ない。

努力を自信に変換してエンドレスに進化する、アイドル界のガチ頂点。

 

私こそがモーニング娘。ですけど文句あります?と言わんばかりの立ち姿。

歌、ダンス、目線、メイク、その全てが女帝の振る舞い

垂れ流す汗さえ威風堂々としている。

 

譜久村聖と双璧をなすことによって演出するモーニング娘。」感の、女が目立ってなぜイケナイ担当。

最後のプラチナ期メンバーですと言って紹介しても誰も疑わない。中澤姐さんの隣でモーニングコーヒー歌ってても誰も疑わない。

 

かと思えば、急に曲の合間に甘ったるい少女みたいな顔を覗かせる

「セクシーなの?キュートなの?」どころではない。

「キャピキャピなの?威嚇なの?」くらい対極。

それを全力で両立できる恐ろしい二面性。

 

とりあえず20周年を超えたモーニング娘。曲も、彼女に任せておけば大丈夫と誰もが頷く。

信頼と実績の小田さくら

 

 

 

 

爪を隠しすぎて油断させるタイプの能ある巻き込まれアメリカン鷹

野中美希ちぇる

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悲しみの妃譜久村、威厳の声帯女帝小田の2トップ、加えてファンタジスタ佐藤。

歌唱メンの癖があまりに強いけど、そ3人に食らい付いて歌割を着実にこなす野中ちぇる美希ティ。

不規則なインパクト型・佐藤に対して、安定の縁の下型・野中

 

聴いてると、段々と英語なんだか日本語なんだかわからなくなる、最早ちぇる語。

特にラップとか、つんく♂独特の意味不明な語の羅列(褒めてる)になると、ちぇるにしか歌えないちぇる感が出る。

言語どうのこうのより音として快感、みたいな。

癖になるちぇる感。

ちぇるちぇる言い過ぎてちぇるタルト崩壊

 

有能なのにガンガン来ないのがまた面白い。

あ、歌えますよ?歌ってもよろしいでしょうか?くらいの物腰

その控えめな雰囲気のせいで、油断する。

なんなら油断してる隙に、あれこれトラブルや笑いに巻き込まれてる。

この人は実はめちゃくちゃ器用だということを忘れてしまう。

是非忘れさせてほしい。何回も思い出したいから。

 

 

 

カリスマへの憧れから動き出してしまった無垢無敵バービー人形

牧野真莉愛(まりあんらぶりん)

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道重さゆみというアイドル史の教科書に太字で載る存在に心底憧れる、ピンク色を担当するにふさわしい少女。

甘い顔立ち、不思議なオーラ。まりあんLOVEりんです。

これぞアイドルのお手本

 

だと思ったら大間違い。

勘違いさせてごめんちゃいまりあ。

意味のわからないモデル体型、長い手足を生かして、120%の力で動かしまくる。

あれ、確か全員同じダンスですよね?

牧野さんだけ、10分前まで星飛雄馬みたいに大リーグボール養成ギプスつけられてて身軽になった、とかじゃないですよね?(日ハムガチファンなのであり得なくはない)

 

それでいて、アイドルスマイルも120%。

お顔がどこにあるかわからないくらい小顔なのに、笑ってることが超わかる。

見逃せないウインクのスコール。

映えるとか、アイドルになるために生まれてきたとか、そういう類の言葉は全部牧野真莉愛のための言葉なんだなと実感せざるを得ない。

 

ちなみに案外、声質もカッコいい。

それってつまりカッコいいアイドルも可愛いアイドルもできる最強の証では?

 

 

 

 

与えられたハードルは倒さない時代の到来を待つ強心臓大物ガール

羽賀朱音(あかねちん)

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「最年少」という単語を冠すると、自動的にイメージがくっついてしまうんですよ。

特に、あの加護という伝説を生み出したモーニング娘。の最年少ならば尚更。

無邪気で何にも支配されない素朴で純粋な存在、そんなイメージ。

 

それを軽く覆してしまう、良い意味で生意気で貪欲な最年少

 

先輩の歌割?勿論いただきます。

台詞?絶対に私のものです。

テレビ?是非とも伺います。

 

遠慮もなさらず、着実に羽賀朱音は自分の侵略地を拡大していく。

しかも、年上の先輩を差し置いて「ここは絶対美味しい」ってパートを次々と略奪していく。

「しれっと」という言葉があまりに似合いすぎる大物最年少。

 

この侵略行為でさえ、年齢不相応な大人びた正統派美女の顔立ちがあってこそ。

ちょっと強めの態度くらいで、ちょうど似合う。

そんな強気の大物最年少。

 

もうすぐ彼女は最年少から離れていく。

ようやく、時代が羽賀朱音に追いついてくる。

 

 

 

2次元から令和のアイドル史に降り立った踊るらんま1/2

加賀楓(かえでぃー)

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下駄箱のラブレターを慣れた手つきでカバンに入れたり、バレンタインのチョコを何個貰ったか自慢するような類のボーイッシュじゃないんですよ、加賀楓は。

決してチャラくないんです。(それはOG工藤遥にお任せしましょう)

自分がいかに周りからチヤホヤされているかにも気づいていない、ちょっと不器用で硬派でストイックなボーイッシュなんですよ。

 

かといって、彼女の全てがボーイッシュな訳でもない。

キリッと前を見据える切れ長な目つき身体のしなやかさ最強民族の血を継ぐ乙女みたいな場面があるんですよ。

だから、らんま1/2。現役最強の2次元み

 

そんな彼女がキレッキレで踊るんですよ。

決して派手ではない外見からは想像つかない程、私たちの目を捕まえに来るんですよ。

偉大なOG鞘師への憧れの炎を絶やさず、同じく戦闘民族の石田と肩を並べてるんですよ。熱い

牧野さんと組んじゃうと美少女戦隊の悪役並のハマり具合だし、横山さんと組んじゃうとでこぼこヒロインコンビになるし。

加賀楓がいることで保たれる関係の多いこと。必要不可欠な人。

 

 

 

不敵なほどに0円スマイルを浮かべる朝ドラヒロイン的ナルシスト

横山玲奈(よこやん)

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オリエンタルランド10年働いてましたとか、寺田心パイセンと同期ですとか、そういう隠れた経歴がないと納得できない。

 

生きるニコちゃんマーク。

歩くスマイル0円。

美少女になった子犬。

令和のミニモニ。その1

 

研修2ヶ月だけで強靭な体力と実力を要求するモーニング娘。に入れちゃった化け物

 

もうこの話だけで、有名バンドのオープニングテーマ引っさげて朝ドラできます。

「令和、がんばれいな」、どうでしょう国営放送。

 

そんな彼女、時折びっくりするくらい不敵な笑みを浮かべています。

 

佐藤優樹羽賀朱音に負けない歌割キラー

今のモーニング娘。の中で、「ここぞというときの横山」になりつつある。

そんなとき、彼女はニヤっと笑ってる。

アイドルスマイルとはちょっと違う、やってやるぞ感のある笑み

飼い主に黙ってつまみ食いしてやろう、くらいのニヤっと具合。

そのナルシシズムさえ、もう可愛いに決まってんじゃん。

 

 

 

うっかりハスキーボイスと闇属性を憑依させてしまった正統派アイドル

森戸知沙希(ちいちゃん)

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ちいちゃんのために、ブログそのものの本文の色を白に変更しました

 

外見だけで分類すれば、森戸知沙希はアイドルのど真ん中にいる安倍なつみ

 

男性受けはもちろん抜群、女性からも僻むことさえ許されない絶対的正統派アイドル

さらには低身長という条件にも恵まれる。

令和のミニモニ。その2

モーニング娘。加入以前、嗣永桃子率いるカントリーガールズのメンバーとして活動し始めたことも、彼女の良さを生かした神采配。

 

だがしかし、兼任という運命の悪戯が彼女の秘められた部分を明らかにしてしまう。

「なんかようわからん悲しさ」を持つモーニング娘。の歌に、異常に似合うハスキーな声。

たしかに彼女の声も、なんかようわからんけど悲しい。切ない。愛おしい。可愛すぎてウケる。

 

鞘師石田牧野加賀が作り続けた「ダンスのモーニング娘。」という側面にも、食らいつくことのできる能力。

え、その顔でそのダンスなの?ヤバ。

まるで1曲に5回鞘師佐藤優樹談)の意外性。

 

つまり、歌、ダンス、ビジュアル、その全てがカントリーガールズにもモーニング娘。にも求められていた奇跡の存在。

Idol of Idol.

是非あなたは真ん中にいてください。そんでもってギャル全開でいてくださいツボなんで。

 

 

もっと彼女たちを、誰か讃えて

 

先程も申し上げた通り、私はそろそろ良いお歳のアラサーです。

 

後藤真希「チッス。あたし、明日からセンターだからよろしく。」みたいな顔して金髪のまんまオーディションに来たときのASAYANをリアルタイムで観ていた人です。

 

そんなお歳なもんで、彼女たちを好きになるのにちょっとだけ躊躇があった。

え、この歳でアイドル…?という類の躊躇である。

 

でも今は、なーんにも恥じてません。

 

このどハマりするべき美少女戦士みたいな集団、つんく♂氏の書く女性の心の奥の奥見てるだけの赤の他人さえ泣けてくる努力と成長と競い合いの歴史、全部。

こりゃすっごい。ものごっつい。

 

ハマるのが恥ずかしい?

何言ってんの?

ハマって当然でしょ?

 

今はそんな気持ち。

この気持ちを、是非ともアイドルヲタでもなんでもない人にもわかってほしい!

 

そんな思いで荒ぶってみました。

 

私みたいにあんまりアイドル慣れしてない人、えげつないブームの時期のモーニング娘。で記憶が止まってる人、そんな人に好きの気持ちを繋げたら良いなと密かに願ってます。

 

 

私もまだまだにわか。

これからもっと深掘りします。

パンデミックしろ、モーニング娘。'19!

 

 

 

 

 

 

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 ベストアルバム発売記念に書いた記事。

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普段は全く別界隈の記事書いてます。自信をもって布教したいので、とりあえず読んで。

 

 

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別に付録目当てに雑誌買ったって良いじゃん。ー馬鹿になんて出来ないカップリング編ー

おまけ。

 

隙がない。
好きしかない。

そんなカップリングたちについての愛。

 


ノンフィクション


ヴィレヴァン限定販売シングルとして発売された「スーパーサマーライン〜消えたはずのセレブのあいつ〜」カップリング。
会場で急に再販しているときがあるので、見つけたら買うべき。脊髄反射で買うべき。

友達3人と有名人だけフォローした裏アカのタイムラインみたいな、生々しさの濃度が異常に高い曲。
あ、もちろん彼氏と彼氏にやたら近くて気にくわない女のアカウントも見てるけどね。フォローはしないけど全部遡って見てるよ?みたいな裏アカウントね。
(皆さんはそんなことしたことあります?私は若かりし頃そんなことばかりしていました。

今は病状も落ち着いています。)

iTunesでも買えないので歌詞は引用いたしませんが、「死にたい」という言葉が出てくるアカシックの楽曲はとても希少です。


若さ漲ってる。


まだ理姫さん、奥脇達也氏、バンビ氏の3人での活動時期なので、演奏も血の気盛んな気配が漂います。


若さ漲ってる。

いわゆる世間のいうところの「メンヘラ」なのですが、理姫さんが書くと歌詞というより口語自由詩と分類したくなるようなフレーズが挟まるところが好き。

もう一度言います。
見つけたら買うべき。脊髄反射で買うべき。
財布の中身がどうとか脳で確認する前に買うべき。

 


福富朝陽


メジャーデビューシングル「愛×Happy×クレイジーカップリング。
路地裏の湿気、嫌になる程飲んですっきりしない朝帰りの時間を想起させるミディアムナンバー。
間違いなく曲の肝はバンビ氏のベース

「ママ、大人になれば
こんなもんだったの
わたしの夢って
余裕も無い 狭い街での日々と感情論だったの」

なんてこった。
落胆の仕方さえお洒落。

恋の最中にくだらない悩みを抱えること、「1円にすらなんない」ことに苛立ちを覚えること、飲み歩かなきゃやってられないような気持ちになること。


「大人」って案外呆気なく辿りついちゃうという事実が消化しきれない、これは間違いなく理姫さんの言葉でありながら私たち現代人みんなの歌です。

それでも、この歌は「朝陽」。


夜は明ける。
明けちゃったなら、どうにかなるわ。
そんな一歩が描かれていることに私は救いを感じます。

 

 


平成へゴー!

 

福富朝陽同様、メジャーデビューシングル「愛×Happy×クレイジーカップリング。


この曲には黒柳リヒ子がいます。
そして奥脇セクシーボイス達也がいます。
それだけで買うのは必至。


(話は逸れますがコジさんのコーラスは優しさと甘さ、達也さんのコーラスは色気と野生と良い感じで担当が分かれてると思ってる)

昭和末期の日本にタイムスリップできる遊び心。
70年代80年代に恋い焦がれた理姫さんと、「J-POP」のカッチョ良さを追い求めた奥脇氏の作品だからこそ、こんな達者なおふざけもできるのでしょう。

さあ、次は「令和へ参ります」のリリースお待ちしております。さよなら!

 

平成へゴー!

平成へゴー!

  • provided courtesy of iTunes

 

 


エンドオブザワールド

 


セカンドシングル「オレンジに塩コショウ」カップリング。
初期から温めた珠玉の名作。
その頃ライブハウスで生で聴きたかった…

岡崎京子さんの短編集に同名の短編集があります。
うまく言葉では言い表せませんが、岡崎京子さんの作品と理姫さんの歌詞は、終わりを見せない飲み込み方、パステルな色で描く虚無感みたいなところが何となく共鳴しているように感じます。

何でもない日常の中で思い出す、幸福の絶頂とそれを喪った現実。
プラスの世界もマイナスの世界も見たからこそ願う、私の幸せ。

ずっと続くような小気味よい曲調が、突然分断されたように終わるところもまた、無常さや時間の有限を物語っているように思えてなりません。

 

 

知らなかったなんて減らず口叩いても遅いんだから

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油断していました。まんまと。



昭和の芳醇さ、彩りをほんのり醸しながらも、90年代J-POP全盛期を彷彿とさせるような「メロディこそトドメ」といわんばかりのキャッチーな音楽。

平成という時代に、横浜という街に生まれ落ちた人生を丸ごと飲み込んだ世界観。
愛とは、生とは、女とは、答えのない問いに向き合い続ける、愛憎劇さながらの歌詞

前作「エロティシズム」は、アカシックの集大成かと思えるくらいに彼らの強さが丁寧に研磨されたアルバムでした。
この作品が世に出たことによって、「アカシックとは」という定義を述べることができるとさえ思っていた人もいるかもしれません。

そんな折、突如「4ヶ月連続配信シングル」の発売が公式からアナウンスされました。

私たちは、以降4回に渡って度肝を抜かれることになります。
前作までに築き上げた定義に則ることのない、新しいアカシックがそこにはいたのです。

ちなみに、更に会場限定ミニアルバムとして、配信シングル4曲に新曲2曲を加えた「POP OFF」をアカシックはリリースしました。
なので、度肝を抜かれた回数は正確には計6回に上ります。


脱皮し続ける、愛憎劇の一幕。
ファンさえも呆気なく裏切る現在進行形のアカシックを、あなたが目撃してください。

 

 

 



M1 「LSD



甘酸っぱい物寂しさ、幼心に連鎖させた終わりの気配、色とりどりの世界に混ぜて誤魔化した切ないやり切れなさ。
それがぎゅっと凝縮したM1 「LSD」。

リゼルグ酸ジエチルアミドの略称がLSDらしいですが、関係するのかしないのか。
幻覚症状を引き起こす、トリップできるお薬みたいですが、関係するのかしないのか。
闇の中だからこそ、考えるのが楽しい。

「明るいのに悲しい」という自分たちの常套手段に持ち込むのかと思いきや、いとも簡単に定跡を破壊してしまいます。
トリガーは間違いなく、随所で響き渡る絶叫。

私たちは、恣意的な足元の悪さによって不安を煽られるような気分に陥ります。


しかし、純情と狂気のハイブリッドはいつしか私たちに依存性をもたらしてしまうのです。

「小さな頃に願ってばかり
いたのに今も同じ」

あの叫び声は、可愛い世界に溶かしきれなかった大人の泣き声なのかもしれないと思いながら聴いてしまうのです。


アカシック「LSD」MV

 


アカシック「LSD」2018.12.20@渋谷ストリームホール

 

 

LSD

LSD

  • provided courtesy of iTunes

 



M2 「Death is Not the End」


ただひたすら、部屋の中で絶望に打ちひしがれている「あたし」。
悶え、苦しみ、記憶に苛まれていく様が克明に描かれています。M2「Death is Not the End」。

「あたしに下した
別れも永遠か
愛は悪魔か」

好きの反対は嫌いではなく無関心だと、世間では言います。
つまり、嫌悪、憎しみという感情は、好意の対極にあるものではなく、好意と連続しているものだと考えられるのです。

愛していたから、憎い。
愛しているから、憎い。

抜け出せない愛と憎しみの連続性が、鎖のように連なっています。

理姫さんは、いつも死を肯定しません。
過去にも、どれだけ絶望の淵に立たされていても「幸せじゃないから死ねない」と歌詞に書きました。それほど、死を受け入れません。

死んで終わり、という解決法は決して取らない生き様の彼女が背負う絶望。
終身刑のごとく残り続ける痛み。
その絶望に付いた名が「Death is Not the End」なのです。

彼女は、歌詞の中でその名をこう翻訳します。

「死んでも許せないお話」と。

 

Death is Not the END

Death is Not the END

  • provided courtesy of iTunes

 


M3 「禁煙成功」


生活臭というものを控えながらも、恋のリアルな光景を浮かび上がらせる。
そんな理姫さんの必殺技がM3「禁煙成功」で上手い具合に炸裂しています。

「偏っている」あなた、「時代遅れの私」
アンバランスな二人のやり取りがちぐはぐなものであることは、想像に容易いでしょう。


しかし、そのバランスの悪さが話の主題ではありません。

歳月をかけることできっと歩み寄れる日が来るのだから上手にバランスが取れるその日まで共にいよう、と願う恋心こそが核です。

「あたしのオススメなバンドが
有名なテレビにいつか出るんだから」

アカシック様、是非とも金曜の夜8時にテレビでお会いしましょう。

私はアカシックを時代遅れだなんて思いませんので。

時代が間に合っていないのです。

 

禁煙成功

禁煙成功

  • provided courtesy of iTunes

 



M4 「エリザベスロマン」


女帝 of 「POP OFF」。
アカシックの楽曲では珍しい類の疾走感が、無情な日々を暴き出します。

「衝撃の発明
24時間落ちないマスカラ
落として寝る」

私たちが常習的にこんな矛盾を犯していたこと、誰が気づいていたっていうんでしょうか。
気づかれていないものに気づくこと、この歌詞こそ理姫さんの衝撃の発明です。

この世界は、危うくて理解不能
そんな事実をサラリと突きつけられます。

「悪意で溢れた
女は闊歩の仕方を知らない
弱さが喉を詰めていく
そんな日を助けていく」

世界の危機に気づいたうえで、正しく生きていく覚悟。
悪意によって自信を掠め取られた人、弱さに苦しむ人を救い出す決意。

こんな強さもサラリと出す理姫さん。

押し付けがましくない優しさが、矜持のある立ち姿のようで美しい。
絶望の果て、世界の虚しさを知っているからこそ打ち出せる、気品ある強さを感じられます。

なお、思いがけない間奏の仕掛けはとってもお茶目で「エリザベス」様というより「ベティ」ちゃん。

是非聴いてみて。

 

 

エリザベスロマン

エリザベスロマン

  • provided courtesy of iTunes

 


M5 「かしこい食卓」


笑ってる人が本当は一番怖い。
そんな座った目の恐ろしさがごっそり歌詞に落とし込まれた曲、M5「かしこい食卓」。

唯一、配信もされていなければMVも公開されていない曲。
会場限定ミニアルバムの中に秘められた宝物。
ライブ行きましょう。

矢継ぎ早に注ぎ込まれる歌詞は、理性と狂気の境目に立たされている切迫した緊張を感じさせます。

渦巻いて排水溝に流れ落ちる水のような、淡々と連なる歌声。
仄かに漂う気味の悪さを演出する演奏。
バンドサウンドを主役に置かず、電子音に世界を敢えて侵略させる作戦。
未来しか感じない、アカシックの新しい音。

こんなの、初めて見るアカシックです。とんでもないです。
でも歌詞は引用してあげません。
会場に来た人の秘密だもの。
ライブ行きましょう。




M6 「地獄に手を振って」


アカシックが今まで大切に育ててきた愛の深さ、包容力を前面に押し出したM6 「地獄に手を振って」。

恋の歌は、聴いてほしい。
流行りの歌は、聴かないでほしい。

1番、2番で対となる思いは、誰にも邪魔されない愛の実態と共有を求める気持ちなのではないでしょうか。

「ふたりの世界はいつでも
優しい絵本の中で
地獄に手を振っているよう」

理想を閉じ込めた虚構のように、絶望から疎外された二人だけの空間。
愛を共有することで、その空間を創り出すことができるのではないか。

そんな切なる願いを込めた歌に、私は聴こえます。
と、言いたいところなのですが。


アカシック「地獄に手を振って」MV


毎度毎度MVを見て、私はとんでもない見当違いをしているのではと疑っています。

結末は敢えて事細かに明かさない。
ハッピーエンドなのかバッドエンドかもわからない、そんな映画のように煙に巻かれる曲。

MVを見て、あなたはこの曲に何をお思いでしょう。

間に合うよ、今なら。



私は前述いたしました。
このバンドが織りなす愛憎劇は現在進行形だと。

愛憎劇の続きは、ステージライトを浴びながら待っています。
共にライブに行きましょう。

 


アカシック会場限定ミニアルバム「POP OFF」Trailer

 
アカシック「憂い切る身」2018.12.20@渋谷ストリームホール


アカシック『8ミリフィルム』 from "日本凛々ツアー"@キネマ倶楽部

 

 

 

 

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あの夜酔い潰れて泣いた人が、全てを晒して歌う愛

 

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大人になったら欲望を捨てていくの?

 

大人になる、あるいは、大人になったというのはどんなときなんでしょうか。

 

 

投票行って外食したら?

僕の体が昔より大人になったことに気づいたら?

解らず震えている15の夜を「そんな時代もあったね」といつか笑える日が来たら?

 

いつまで子どもで、いつから大人なのか。

境目があるようでない、不思議なこと。

 

私たちはよくわからないまま、ビールを飲んで大人になっただの、お肌の曲がり角が来てしまっただの、大人になった気分になっています。

そして、「もう大人なんだから」とたくさんのことを諦めていきます。

 

音楽についての評価も、あるとき急に過渡期を迎えます。

丸くなった、落ち着いた、なんて言い方で、私たちは勝手にあれこれと人の音楽に年輪を数えだします。

確かに、たとえアーティストやバンドマンであっても、デビュー初期の鋭利な欲望をむき出しにしたまま何年も活動している人たちは少ないのかもしれません。

 

そんな風に思われそうなタイミングで、「エロティシズム」という、欲望をごっそり取り出したような単語をアルバム名に据えたアカシック

刺激的であり、挑戦的。

曲がポップで丸みを帯びた反面、欲望を描くエッジさが強大になった印象です。

 

積載荷重ぎりぎりに詰め込まれた数多の曲を紐解くことで、私たちは大人になっても心に住み着く欲望、すなわち愛の重さを思い知ることになります。

 

大人になったら禁欲的に生きなさいなんて、誰に言われたの?

 

そんな問いかけが聞こえるような、アカシックの最新アップデートを目撃すること必至です。

 

 

                                                                             

M1 「憂い切る身」

 

今までの活動全てを背負いこんでアカシックが闘いを挑んでいる。

それが私たちの心に克明に刻まれる。そんな曲、M1「憂い切る身」。

 

理姫さんの「愛」についての定義は、従来「あなたと私」の世界の中にあるものでした。

この眼差しの間には誰も不可侵であるという執念深さが滲む、そんな世界。

 

しかし、今回私たちは恐ろしい幕あけに気付かざるを得ません。

理姫さんの「愛」の定義は、世界、歌、脳内に描く理想、死ぬまでの人生すべての中に移動したのです。

 

「これが一途か 気が狂いそうだ」

 

そのすべてのものへの「愛」を抱きしめて、先行きの見えない大海のような人生を泳ぐ覚悟。

本当に向き合っているからこそ、「気が狂いそう」と吐露しているのではないでしょうか。

 

「赤い海」とは何か。

競争の激しい既存市場か、あるいは、欲望がひしめき合う現代社会か。抑えきれない恋心なのか、それとも、理姫さんの握りしめる「愛」のすべてなのか。

何通りも答えがあるような気がします。

 

このアルバムこそが、この曲こそがまさに、「鍵付きドル箱」

海底に沈むような絶望を濁さずに表現し尽くしてくれる理姫さんの言葉は、いつも私たちの心を守ってくれるのです。


アカシック「憂い切る身」2018.12.20@渋谷ストリームホール

 

憂い切る身

憂い切る身

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M2 「いちかばちかちゃん」

 

このM2「いちかばちかちゃん」を単に「メンヘラ」「ヤンデレ」と形容するのは損でしかありません。

 

確かに、「絶対約束判子ください」は結婚を暗喩していそうだし、「紅ひいて歌う世界」理姫さんがステージに立つ様を彷彿とさせます。理姫さんお得意の「ノンフィクション」作品です。

 

しかし、恐ろしいのは生々しさだけではありません。

日常のどこをトリミングすることで、狂った心を描写するのかという編集能力が卓越してます。

 

「高い苺冷蔵庫の中

風邪ひかないで あたためて食べてね」

 

私が鳥肌立ったのはここ。

 

高い食べ物、可愛い苺、食材を傷めないようにする冷蔵庫、体を労わる言葉と温かい食べ物。

分解すると、愛している人にしてあげたいこと、渡してあげたいもの、ごく自然なことばかりです。

 

それがどうだ。

全部を無理矢理直列回路で繋げたことにより、心遣いはただの暴挙に様変わりします。

愛はひたすら行為や物を足し算するだけでは報われない、という虚しさが痛いほど沁みます。

 

そりゃ、ここまで気が狂ってれば「同じシャンプー」(ということは女物のにおいがするシャンプー)使わせて他の女からマウント取りたいし、「威嚇ふぁぼ」(つまり他の女のSNSは隈なくチェックしている証拠)もかましてやりたいし。

 

統合し切れていないような歌詞に見えて実はとっても理論的に見えたりする、技巧派の歌詞です。

それを一発撮りでRECするという恐ろしいことをしでかすアカシック。演奏も勿論技巧派です。

 


アカシック『いちかばちかちゃん』 MUSIC VIDEO

 

いちかばちかちゃん

いちかばちかちゃん

  • provided courtesy of iTunes

 

M3 「邪魔」

 

こうきたか!と思わず叫んだM3「邪魔」。

今までありそうでなかった、シャレオツ闇ロック。ミディアムテンポなのに心臓が弾むように昂る、ライブでも殺傷力高い曲。

 

「風に舞い踊った

花びらは今日

アスファルトに降伏して ゴミになりました」

 

このフレーズの無駄のない美しさ、虚しさ、邪なものに屈服してしまう悔しさ。

急に幻想が荒っぽい現実に引き戻される落差まで、完璧な表現だと思います。

ラスサビ前の、前半部分が違う表現になったバージョンまで含めて計算高い

 

抽象的なようで、所々刺してくる場面ばかり。

 

「惨めが代わり番をしただけでしょ?」

「骨を

血を

飲んでも

あたしだけのものにできない」

 

一言も言い返せない、大ダメージの攻め。責め。なんと心地よいダーク。

 

 


アカシック「邪魔」2018.12.20@渋谷ストリームホール

 

邪魔

邪魔

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M4 「裸-nude-」

 

曇天からの晴天が一番澄み渡って見える、そんなポジションの曲です。M4「裸-nude-」。

 

「愛してるのに

嫌いになって

息止めて逃げるのお仕舞い」

 

「大人が裸になるの

どうして駄目なの」

 

足枷を外して、なにもかもを抱きしめたように歌う理姫さんから出てくる言葉は、上手く大人になれない私たちの核心を貫きます。

 

なんで大人って、いっぱい色んなことを経験して、色んな知識を得て、失敗も成功も重ねてきてるのに、下手に取り繕う性格をずっと治せないんでしょうか。

そんなことしていたって、救われる訳でもないのに。自分への嘘が止まらなくなるのに。

 

そういう私たちの下手くそな成長が見透かされそうで、聴き続けると胸が苦しい。でも聴いちゃう。

 

「ケバさは強さじゃないの護って」

 

よくぞ言ってくれました。

くだらない企みとか、偽った笑顔とか、要らないものは捨てられたら良いのに。そんな勇気を優しく与えてくれる曲です。

 

 

裸-nude-

裸-nude-

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M5 「私」

 

突如「コンサバティブ」な夜が回想されるような世界。

それでいて、「今」の理姫さんだからこそ歌えるような重み、M5「私」。

 

「好きになった男には女がいた」

 

話の筋書きだけ述べるなら、このワンフレーズで終わりです。

 

しかし、「失恋」がもたらすダメージとは、単に相手を手に入れられない悲しみだけではない。理姫さんはそこを実直に描き出しています。

 

自分そのものを否定されたような、やり切れなさ。

今までの人生がひっくり返ってしまうような、絶望、後悔、自己嫌悪、憎悪。

つまり、失恋はアイデンティティの崩壊の危機ですらあるのです。

 

この歌詞読んで、「あ、私がいる」って思わない女性はいないんじゃないでしょうか。


ねぇ本当に、もうちょっと、見て#2

 

私

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M6 「マイラグジュアリーナイト」

欲深く生きる心を否定せず、「生き様」と言い切る強さ。

這いつくばっている絶望を、貪欲な渇望へと生まれ変わらせようとする信念。

このアルバムの心臓部、M6「マイラグジュアリーナイト」ではそんな想いが詰まっています。

 

「欲望に従い

贅沢に悩み

あたしの生き様をさ 行け」

 

悩む、という言葉から消極的な印象を拭い去ることは容易ではありません。

苦しくて、光が見えなくて、不安になって、葛藤して。

私たちは、悩んでいるということは先に進めていない状態、足止めを食らっているようなものだと考えます。

 

しかし、「贅沢に」という言葉が、その悩んでいる様すら絶対的に肯定します。

整理整頓できていない脳内でも、絡まった配線コードのような感情の葛藤でも、その思い悩む夜も無駄じゃなくて、かき消さなくて良い自分なのだという肯定。

 

美しいメロディーの隙に垣間見える、狂暴なほどの強さ。

恋の痛みを酒で塗り替えてきたような初期の歌も併せて聴けば、この曲が単なる曲風の「変化」ではなく世界がひっくり返るような「進化」ということがまざまざと確認できます。

 


アカシック『マイラグジュアリーナイト』

 

マイラグジュアリーナイト

マイラグジュアリーナイト

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M7 「ブラック」

愛は呪いであって、執着であって、嫉妬であって、相互関係を求める虚しい行為であって、自己嫌悪との闘いである。

そういう粘着性のある恋を語るはずなのに、余りにもキラーチューン。

そのアンバランスさも愛おしい、M7「ブラック」。

 

「こんな敵だらけの世界から

狂いそうなベッドまで

パスポートひとつで飛ぶのよ

全部棄てな」

 

JPOPの教科書に載せるなら、このフレーズは「君とならどんなことも出来そうな気がする」的な部分だと思います。

しかし、理姫さんは「全部棄てな」と突きつけることで、相手の覚悟も引き換えに要求します。

 

依存し合いたい。一方通行な想いになど気づきたくない。

だから、つまんない話をするあなたも、あたしのこと知らないあなたも嫌い。

好きだけど嫌いではなく、好きだから嫌い。

 

「重い女」なんて不名誉な称号が世間にはありますが、誰もがこんな悲しい呪縛から解放されたいだけなんです。

「一生分の名前呼んで」なんて懇願するほどに。


ねぇ本当に、もうちょっと、見て#1

 

ブラック

ブラック

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M8 「LOVEYEN」

このブログを書いている2019年は早いもので令和の世になりましたが、M8LOVEYEN」では昭和から平成に変遷するときのような、ちょっと見栄っ張りな煌びやかさと茶目っ気が魅力です。

 

遊び倒しているような曲ほど、散らばる言葉遊びが相変わらず上品なのがアカシックらしさ。

「海外旅行して かぶれて

帰ってくる馬鹿みたいに」

なんていう毒の吐き方も、曲の雰囲気を壊さないのにリアル。

マウント女子のSNS見ている気分。

 

おふざけではぐらかされた「ご縁ちょうだい」が、令和にも通ずる現代の寂しさを暗示しているようです。

 

 

LOVE&YEN

LOVE&YEN

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M9 「オレンジに塩コショウ」

「うだるような」、という言葉をまるごと曲にしたようなM9「オレンジに塩コショウ」。

(一時は円盤化されないのではないかと不安でした)

 

「タイムライン更新しないで ずっと マジで」

 

SNSはどれだけ私たちの恋を邪魔してきたのでしょう。

知らなくて良いこと、無言のヒント、邪推。

そんなこと/なんでわざわざ/知らなきゃいけないの、の略でしょうか。SNS

 

話は変わりますが、「遊び足りない気分を茶髪にして」など、相変わらず理姫さんは夏の演出が得意。

スーパーサマーラインに続く、センチメンタルサマーです。

 


アカシック『オレンジに塩コショウ』

 

オレンジに塩コショウ

オレンジに塩コショウ

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M10 「日本の宝」

愛犬への私信、M10「日本の宝」。

と言い切ってしまいたいところですが、滲む愛の本質がちょっと深い

それが思いがけない聴きごたえを生み出します。

 

「シャバのチリも絵に変えてくれた」

 

飼い犬がもたらした功績をこのように表現していますが、対象に限らず愛の効用ってこのフレーズが言い得ているのではないかと思います。

 

愛がなければ、街を眺め直すことはなかったかもしれない。

廃れていくことに不安を抱かなかったかもしれない。

どんな場所にも彩りがあることを理解できなかったかもしれない。

 

欲望を根掘り葉掘り見つけ出してしまうこのアルバムだからこそ、この曲があって良いと私は勝手にしみじみ思います。

 

 

日本の宝

日本の宝

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M11 「愛×Happy×クレイジー

「愛」と「Happy」まではわかる。

その次に「クレイジー」がよく続いたものである。

M11「愛×Happy×クレイジー」は、アカシックのメジャー1stシングルであるというプロフィールを抜きにしても、背筋の通った覚悟がガツンと伝わります。

 

それでいて、M1「憂い切る身」、M6「マイラグジュアリーナイト」と異なるのは「絶望してたってつまんないじゃん」と言わんばかりの悟りみたいな部分。

 

改めて考えてみると、理姫さんの歌には「べき」「ねば」がない。

私はこうしたいんだ、という純粋なエゴイズム。これが全ての始まり。

周りにどう思われているとかいないとか、そんなことは蚊帳の外。

 

私も、愛するあなたも、幸せなら良い。例えそれが傍から見たら狂っちゃってても。

 

そんなふうに考えると「愛」と「Happy」の次は確かに「クレイジー」なんです。

 

「くだらないもの 大事に愛してる」

この言葉が凝縮したMVもぜひご覧あれ。


アカシック「愛×Happy×クレイジー」

 

 

愛×Happy×クレイジー

愛×Happy×クレイジー

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M12 「エンジェルシンク」

何回も聴いてるのに、いまだに泣かずに聴けないかもしれない。M12「エンジェルシンク」。

実は初期曲のようですが、時は満ちたと言わんばかりの登場。

 

「目が乾くほど暖めてきた部屋に帰るわ」

 

素直に泣くって言えないシリーズ…好き…

もう…わざとらしくドライアイにならないでよ…何時間前から暖房入れっぱなしにしてんだよ、電気代どうすんだよ来月後悔するぞ…(やかましい)

 

相手に施してきたこと、その思いが報われなかったこと、泣きたいこと、泣くって言いたくないこと、一文で氷解する数多の悲しさ。

 

未練とは、みっともない。

そんな先入観は崩壊します。またしてもたった一行で。

 

「思い出を嫌わないで」

 

今の私たちに、未来はない。

それでも、重ねた思い出に罪を着せないでほしい。

愛し合ったことは嘘じゃないから。

 

そんな余りある未練が皮肉にも美しすぎて、そう易々と瞼を開けたままにはできません。

 

 

エンジェルシンク

エンジェルシンク

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M13 「you&i」

「エロティシズム」裏リード曲、「youi」。

いつか、終わりは来てしまうこと、別れを避けられないこと、それをどことなく感じているからこそ、何もかもを守りたいと感じているような、そんな切ない優しさが響きます。

 

あなたが望むのならば何でもしてあげたい、そんな無償の愛が曲中で語られます。

しかし、その願望はどこか歪んでいます。

 

「このまま遠くまで 電車に揺られて

一緒に逃げても

but i will say good bye to you

 

逃避行は、いつか終焉を迎える。そして、その切り出しは私からしてしまう。

なぜ、さよならを回避できないのか。

 

「小さな呪縛が いつか手を滑り

苦しめないように」

 

醜い愛の性質が、この部分から覗き込んでいます。

どれほど尊く思っても、大切にしたいと願っても、何もかもをしてあげても、いつか私からあなたを「呪縛」してしまう。

 

独占欲、依存願望、エゴ。

そんな予感から、距離を置くことが最も幸せではないかと不安になる。

理姫さんの心は私には悲しいくらいにわかりませんが、何となくそんな場面を想像せずにはいられません。

 

そんな二人を暗喩するものは、大海原と月明かり。

月明かりの姿形は映っているのに、触れることは決して許されない隔たり。


アカシック『you&i』

 

you&i

you&i

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M14 「エロティシズム」

余韻の中に漂うバッドエンドの気配、M14「エロティシズム」。

アルバム名を冠した曲だけあって、欲望の果てが遂に露呈します。

 

比喩的表現が踊り、具体的な生活感をことごとく排除した世界観。

呟くように、消えそうな声で絞り出す言葉。

暗い洞窟の中を歩むように聞き進めると、突如恐ろしい問いかけが聞こえてきます。

 

「あなたを好きになって 本当に良かった

助けて もういいでしょ」

 

このちぐはぐ具合はどうしたって言うんでしょう。

どこが本当に良かったって言うんでしょう。

 

「地獄だろうと ついてきて」

 

ちぐはぐ部分とこのフレーズが示すもの。

それは、愛が底なし沼だということの証明ではないかと私は考えています。

 

終わらない、好きになっても好きになっても終わらない。

本当に本当に好きだけど、愛しているけど、まだ好きになる余地がある。

 

それに気づいてしまったとき、いくら相思相愛でも、この愛の苦しみは終わることがないのだということが同時に理解できてしまいます。

 

どこまでも、どこまでも、欲望はついてくる。それに、向き合い続ける。

それこそが、この歌の持つものであり、タイトルの意味なのかもしれません。

 

ずっと、この歌にカラスがどうして出てくるのか、分からなかったんです。

このアルバムについて何時間も何時間も考えて、候補を1つ。

 

「カラスが鳴くから帰ろう」、それはつまり家に引き返す合図。

「あの校庭の地下に カラスはいくつ寝てる」

 

カラスは鳴かない。だから、引き返せない。引き返さない。

埋めたのは、私。

だって、「愛に邪魔なものは消す」のだから。

 

 

 

エロティシズム

エロティシズム

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大人だからこそ、欲張っていい

 

私、ずっと勘違いしていました。

大人になったら、次第に愛を持たなくなるのだと思っていました。

 

かつて恋人であった配偶者を粗雑に扱ったり、恋だの愛だのロマンティックな言葉よりも目まぐるしい日常に心を支配されたり。なんとなく、ドラマとか世間話の中に生きる大人には、愛の枯渇を感じていました。

 

でも、そうじゃない。本当は、愛が心から枯れることはない。

むしろ、私たちはますます愛に貪欲になっていくのです。

 

かつては、愛は偏っていました。

自分をないがしろにしても、恋を貫く。

あるいは、独りよがりになってガラス細工のような恋に亀裂を入れてしまう。

そんなことばかりしていました。              

 

けれど、少しずつわかってくる。

自分を大切にできないのに、恋人を大切にはできないこと。

私の生き方も、あなたの生き方も、絶対に守り通したいこと。

 

何か一つを守るのではなく、全部守る。全部愛する。

そんな貪欲で真摯な愛を、私たちは抱いている。

 

大人になったのに恋の話だなんて、みたいな小言は無粋。

大人だからこそ、いくつもの愛を死に物狂いで守るのです。

 

そんな生々しくて、美しくて、気高い気持ちを、このアルバムが余すことなく教えてくれるのです。

人生にぜひ、このアルバムを携えてください。

 

 


アカシック 2ND ALBUM『エロティシズム』 全曲視聴トレーラー

 

 

 

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涙と愛と憎しみの味がする芳醇な短編集

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恋を味わう短編集

 

私、言葉は発明品で文章は化学反応式だと思っているのですけど、恋を「甘酸っぱい」と初めて表現した先人って天才じゃないですか?

 

恋は口に入れない。味がしない。

なんなら食べ物が喉を通らない。

目で、耳で、少し近づけば鼻と肌で、相手を感じることはできる。

それなのに、一番相手を感じることのできない味覚で、恋心を宿す様を表す。

 

甘い、苦い、酸っぱい、渋い。

胸焼けする、優しくとろける。

口どけた後、この味はもう味わえないような気持ちになる。

 

そんな幾多の複雑な味を味わえるアルバム、アカシック「凛々フルーツ」。

 

フルーツパフェを食べているときの、次は何が出てくるかわからないときめき。

酸味も甘味もひっくるめた味の連鎖は、「私」という女の生き様、結婚への執着、年に似つかわしくなってきた初心な恋心のよう。

 

初のフルアルバムになったことで、留まることなく拡大していくアカシックの世界が爽快!堪りません。

まるで次々とページをめくりたくなる短編小説のような高揚を、ぜひ味わってください。

 

 

 

 

M1 「結婚」

苦虫を嚙み潰したような楽器の音を携えて始まる、重量のある曲M1「結婚」。

 

「君の朗報に乾杯を 流し台に全て捨てる」

 

題名と冒頭2行の歌詞だけで全てを察することのできるドラマ性。

理姫さん本当にこの歌詞を題材に小説書いてくださいまたそれも布教ブログ書きます。

 

ちなみにこのアルバム、今まで以上に「冒頭で聴衆を致死させる」能力の高い曲が凝縮しています。

なので聴く前に、ぜひとも自由自在に輪廻転生できるようにしておいてください。

 

感情は生々しいのに、「罪悪色の朝陽」「午前三時の消灯」など酩酊しそうな語彙のお洒落さも憎い。惚れる。もう惚れている。

「罪悪色の朝陽」ってカクテル売りだしたい。

それバーカウンターであちらのお客様から奢られたら射抜かれる。

 

感性を研ぎ澄ませて進化したな!と感心していたら、奥脇氏のライナーノーツによるとこの曲はアカシック結成後すぐにできた古株曲だそうです。

恐ろしい。隠したナイフ一体いくつ持っているのでしょうこの人たち。

 

「君が選ばない全ての ねぇ、何が嫌?」

 

目の前5cmの距離で睨まれるような愛と憎しみ。

ハートのイヤリングも赤いセーターもコンビニ袋も全部流し台にぶち込むほどの後悔。

深度の強い世界が幕を開け、あなたの心臓を貫くのです。

 

 

結婚

結婚

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 M2 「8ミリフィルム

今やアカシックの看板となった、5年の活動の重みを背負うスーパーキラーチューンM2 「8ミリフィルム」

 

ちょっと有名にはなったけれど、YouTubeでこの曲を聴いたことのある不特定多数の日本人を正座させて言いたいことがある。

この曲の奥深さを。執念の強さを。ボタンを掛け違えた健気さのような痛みを。

 

 

まず、「国道飛ばさないでいてね それだけは忘れないでね」という冒頭。

 

よく考えてみてください。

 

大好きなのに、もう一緒にはいられない人。

あなたなら、その人になんて言葉をかけますか?

 

 

要するに、冒頭は「元気でね」を理姫さんの言葉で翻訳した結果なのです。

 

何が怖いかって?

別れる相手の死因になるであろう行為を予言できることですよ。そしてそれを「それだけは」と断言できることですよ。

 

このフレーズだけで、またしても小説が始まってしまう。

今までの想い出の数、わかりきった相手の嫌なところ、できる限りお節介は言いたくないけど生きていてほしいという、人としての存在を貴ぶ心。

 

殺傷能力高いフレーズで編み物をしたような歌詞、それが「8ミリフィルム」なのです。

 

その連鎖の果てに「君の才能が欲しかった 超好きだったのにな」という歌詞が止めをさす、キラーチューンになるべくして生まれた曲。

バタフライエフェクト!!(と奥脇氏がこの曲のライナーノーツで仕切りに叫んでいるので真似してみました実はよくわかっていません)

 

 

私個人は、皆が騒ぐ「才能が欲しかった」のくだりよりも「映画見るわ」の一言で泣きます。

 

なんでこんなに大好きだったのに、映画で泣いちゃったって言い訳しなきゃ泣けないの…?意地はりすぎてない…?

大人になって麻疹になると大変なように、大人になって初心になると拗らせてしまうようです。心当たりありまくる。

 

あとはもう、聴け!こんなブログ読まずに今すぐ聴け!と言いたくなるくらいメロディーとギターソロとキーボードソロが良い。

絶頂しそうな瞬間が続きすぎて息できない。

JPOPの神はこの曲に確かに宿っている。

 

それを全部つなぎとめるベースとドラムもセンスの塊。

ドラムの音が最初ひしゃげてるのも、ひねくれた恋の終わらせ方に似合うので大好きです。

 

ちなみに初期「コンサバティブ」から聞き直すと、ステレオタイプな未来」が想像できない女性像を鮮明に脳内に描くことができます。結婚と生き様の間で苦しむ、抉られたような感情を携えてぜひ何度も聴いてください。

 


アカシック「8ミリフィルム」

 

8ミリフィルム

8ミリフィルム

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M3 「サンディバージンディアボーイ」

アカシックはポップである。そう名乗ることを容易く可能にするM3 「サンディバージンディアボーイ」。

私も前にちらりと書いたし、奥脇氏もライナーノーツに書いているけれど「空のブルーは永久ブルーで 不審なチャンスは薔薇の色」があまりにキャッチーで清楚でミステリアスで大好き。

このフレーズが核になる、危うい恋の歌です。

 

 

この曲の価値は、「サンディバージン」という造語の素晴らしさから伝わります。

 

次の日曜日」には少女に生まれ変われるような恋の始まりと深まり。

その純真さが、「ユニバースいち 愛してる」という本気を生み出します。

初々しい2人の日々に浮足立っていながらも、この恋愛は「贅沢な運命」、つまり自分にはもったいないほどの恋だと何となく気づいている。だからこそ、結末が来るのが怖い。

あなたに捧げる愛の真摯さが、ポップさにくるまれて可愛く歌われています。

 

 

 

M4 「今日から夜は家にいるよ」

「幸せじゃないから死ねない」同様、題名に映画化できる起承転結を既に含んだM4 「今日から夜は家にいるよ」。

 

自分を優先してきた女性が、それでも相手と過ごす未来を望んで、不器用な愛を抱え込む様が伝わる曲です。

 

「前髪がよれちゃったり」「野菜中心の何か」など生活の温度がじんわりとしながらも、「あなたのせいで 幸せで狂っていて」と射るような志が垣間見える、ギャルと文学のハイブリッドを作り続けたアカシックらしさがここにもあります。

 

相手の話、適当に聞き流して返事しちゃうところなんかリアルすぎて監視カメラ

シンプルな歌詞に隠された奥行を堪能してほしいです。

 

どうでもいいけどMV中村倫也さん、卵を手で割っちゃダメです(笑)普通にイケメン料理男子です(笑)アカシックの曲に出てくる男には、たとえMVでも出来れば卵の殻をボロッボロに落としてほしかった。あとボウルとかキチンと使われている痕跡があって「普段誰か料理してるし夜にも家にいるでしょ絶対」感が残念。カップ麺の器くらい置いてて良かったよ…。そしてハンバーグ超食べたい。


アカシック 「今日から夜は家にいるよ」

 

今日から夜は家にいるよ

今日から夜は家にいるよ

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M5 「ヨコハマカモメ」

M5 「ヨコハマカモメ」では、アカシックの得意技である毒々しさのある可愛らしさが総攻撃をしかけてきます。はい、すぐやられます。

どうでもいいけど私が人生で聴いてきた中で最も好きなピックスクラッチ部門、第1位。曲に合いすぎ。

 

「そしてつまらない話が好きよ

平穏な日々のために」

 

痺れる。私の頭が避雷針になって全ての電撃が集まってくる。

日常のやるせなさと、それに納得していない本心。冷たい目で世界を見つめながら、疼いている何種類もの感情。やはり「怠惰」を書かせたら理姫さんはお強いです。

 

私的、このアルバムお気に入りフレーズ最優秀賞

 

「小さい頃の写真で着てた

お花畑みたいな頭に

小説でしか見かけない気持ちで

ピースしてた」

 

絶句。擦れていないあの頃に帰りたいけど帰れない嫉妬とか後悔とか悲壮感をどうしてここまで美しく浮き彫りにできるのか。さすがです。

 

 

ヨコハマカモメ

ヨコハマカモメ

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M6 「飴と日傘」

ご本人たちも、「夜型から朝型になった」と評価していたこのアルバム。M3とこのM6 「飴と日傘」で、私は特にそれを感じます。

 

日常と自分の均衡を保つことが、ほんのちょっとだけ上手になったような、どこか大人の恋と景色が広がります。

時に秘め事のような妖しさのある過去を掠らせながら、「ときめき」という素朴で幸福な感情に喜ぶ姿が微笑ましいです。

その中でふとよぎる、「悲しい時も なんとかやってきたんだから」という覚悟。癖のあるポップでセクシーな演奏もぐっときます。

 

 

飴と日傘

飴と日傘

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M7 「ギャングスタ

可愛い。ひたすらに可愛い。どちらかといえば犬派だけどこの曲聴くときは猫派になる。

猫の孤高で気まぐれな姿を甘く歌い上げるM7 「ギャングスタ」。

Hachi作であることも関係してか、コスメの新色出たときのような、新鮮な驚きです。

なんとも妖艶な遊び心。

 

俳句とか短歌とか、あるいはキャッチコピーなんかがわかりやすいと思うんですけど、短い文章の中に想いを詰め込むのって果てしなく難しいんですよね。

下書き、推敲、取捨選択、他者との比較、心を鷲掴みにされるかどうか。考えなきゃいけないことが多すぎる。

 

そんな高度な行為の中で選ばれた、とっておきフレーズたちが愛おしい曲です。

 

「心は急に老いるから

考えずに食べるわ」

 

 

ギャングスタ

ギャングスタ

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M8 「うたかたの日々」

再びHachi作の新色、M8 「うたかたの日々」。大人になって初めて食べた異国のフルーツのような存在。

うなだれるような鍵盤が、憂鬱な孤独の色を描きます。理姫さんの歌詞との相性がえげつない。

 

終わりも行き場もない感情を描くこと、抑揚もつけられないほど低迷した心を見透かすこと、どちらも相当に難しくて、歌詞も曲もしくじったら台無しになる気がしますがこの曲は見事にその世界を完成させています。

 

「少し嘘があるわ

何も嘘じゃ無いけど」

 

さて、このセリフを大物女優に言わせる名作映画は、どこに行ったら見れますか。

 

 

うたかたの日々

うたかたの日々

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M9 「ロリータ」

M8と共鳴はしているけれども、開始早々「奥脇氏にバトンタッチしたな」と理解できる定番カラーコスメ的な曲、M9「ロリータ」。

「コンサバ」「プリチー」から引き継ぐ伝統芸がやってまいりました。

もう、図書館の文学小説の棚に私は顔を突っ込んでいるのでしょうかと錯覚するほどのフレーズの目白押し

 

「礼儀みたいなハンカチの折り目」

「資本的夕暮れ」

「花嫁になりたくて

失ってきた芸術」

 

もう、言葉だけ羅列しても、この毒を飲んで私は棺に入りたいってレベル。

 

これらのフレーズを繋ぐ文脈になる感情は、はぐらかされたようにどこか曖昧。

だけど、「懸命な赤」を臨む姿勢、それに伴う苦悩、それは理姫さんがいつも伝えてくれる、正直な生き様と恋。

色気ある演奏をバックに、ロマンティックに倒れましょう。

 

 

ロリータ

ロリータ

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M10 「華金

そうです、あのJPOP大好物でありアカシックの得意技「明るいのに切ない」です。M10 「華金」です。キャッチ―とセンチメンタルのバランスの良さはM2と良い勝負です、実は。

 

夜ってなんであんなに人をダメにしてしまうんでしょう。

お酒と一緒で、もともとダメな私だったことが暴かれるだけなんでしょうか。

朝になれば全部わかるのに。虚しい愛だったって。

 

それでも、刹那的な欲望に溺れたい。

引き留める私より、足を進めてしまう私が勝つ。

 

「ゆめかわ」チックなパリパリナイトの夢を表しながらも、酒と香水と煙草の匂いが一度に漂うあの「夜」感がせめぎ合ってくる。

 

引き裂かれそうな悲しさは、せめて歌で明るくしてあげないと歌えない。そんな曲じゃないかなと私は勝手に思ってます。

ライブで聴くと楽しくて頭空っぽになるので、ぜひヘッドホンでゆっくり聴いてみてください。目の下にハンカチ貼り付けながら。

 

 

華金

華金

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M11 「馬鹿なハスキーエイジ」

全曲ライブ以外では聴けることすら希少価値。M11 「馬鹿なハスキーエイジ」(私はまだナマで聴けていませんお願いです聴かせてください)

歌詞の全てが美しい。幻想的で優雅。

 

それでいて、やはり「朝になるのを カラスと気づいている」などアカシックらしいエッセンスを加えることも忘れない、憎い存在。

 

空を見上げるような、漠然とした前向きさ。

悲しいこともきっとたくさんあったし、おそらくこの曲の男女も上手くいかなかったんじゃないかと思えるけど、そんな2人を「馬鹿」と笑えるような心の余裕がちょっとだけある。

恋が終わったら、仕切り直しに旅に出ようか。そんなときに連れていきたい曲です。

 

 

馬鹿なハスキーエイジ

馬鹿なハスキーエイジ

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M12 「恋は媚薬だなんて冷めるわ」

短編小説がクライマックスに近づいたにもかかわらず、まだ涙と血と汗を搾り取ろうとしてきます。そんなセンチメンタルの塊M12 「恋は媚薬だなんて冷めるわ」。

 

M9「ロリータ」に続いて歌詞がロマンティックの宝石箱。

 

「映画はノワール

慣れ親しんだあたしの心だ」

 

ってどうやったらその等式思いつくんですか?キレッキレのセンス。

 

「冷たい床に 頬をあて

繰り返し思い出して 恥じるわ」

 

この言葉から想定される、絶望に耐え続ける日々。

あなたがいなくて退屈で堪らない日々。

 

それなのに、心に残る純粋さが恋に対する本気度を示します。

 

「神様 会いたいいますぐに

熱あがってるの グッときているの」

 

まだ未練と呼ぶこともできない、燃える愛。まだ相手を憎いと感じることもできず、持て余している熱。

神様に願うしかないような、やり場のない健気さが胸を刺します。

 

 

恋は媚薬だなんて冷めるわ

恋は媚薬だなんて冷めるわ

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M13 「夢遊」

とんでもない結末でこのアルバムは終わろうとしています。M13 「夢遊」。

 

サビで対句される

「嫌だ 好きにならないで」

「嫌だ 嫌いにならないで」

の交差が、愛に狂う姿そのものです。ここの理姫さんの絞り出すような歌い方もピカイチ。

 

「容易い事のように

知らず寝息が欲しい」

 

つまるところ全ての恋愛は、この願望によって突き動かされているのではないかとさえ感じます。

それを端的に表すことのできる技術。やはりアカシック、売れなきゃおかしい。

 

歌詞の中で一貫して相手を「あの野郎」と呼ぶところに、恋心はそう単純じゃないことが窺えます。「好き」って一色じゃないですもんね。憎たらしさも、まるごと愛。

 

「悪い事 ひとつしかわからない」

 

「最終的絶叫にならないように

あたし遠くにいるしかない

嫌なことしかない」

 

これがおそらく、この曲の答え。

 

離れるしかない。

離れれば、「あの野郎」の望み通り。

私にできる唯一のこと。

一番悲しいこと。

 

呪いかと思うほど真っすぐな愛情の報われない結末を感じながら、意識失いそうになりながら、ひたすら終わらないアウトロに酔いしれましょう。

 

 

 

 

夢遊

夢遊

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いつまでも衰えない、瑞々しい愛の歌

アカシックの描く世界観は、いつだって「今」の歌なのです。

 

若返りを期待したりしない、ひねくれたり逆に素直になったり大人になった女性が「今」見ている景色、感じている思い。

 

それでも、心はいつまでも老化しない。愛の尊さ、繊細さ、虚しさ、嫌悪感、それを乗り越えた幸福感、すべて享受して、すべてを歌詞にしてくれる。

偽りのない「今」の歌、それがアカシックの歌です。

 

古びてしまわない感性を、言語の連鎖を、愛を描きつくす態度を、ぜひとも社会に味わってほしい。

こんなに良いバンドがいたなんて、と辛酸をなめるような気持ちで後悔してほしい。

 

私の平成最後のお願いは、アカシックを知ってくれ」です。

 


アカシック『日本凛々ツアー』TEASER

 

 

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原点から「凛々フルーツ」までを通して聴くことで味わえる深み。

 

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所々に滲む毒っぽさがたまらない人に。

 

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ポップさ、清らかさ、優しさ。彩り豊富なパレットに目移りしそうです。

 

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M7M8についてのお断り

 

かつてのキーボード、Hachi

綺麗な長髪にやんちゃな笑顔のイカシタ姉ちゃん。

ギャングスタ」「うたかたの日々」、2曲の作曲者。

どのように書くか悩みました。そして書いた後である今も悩んでいます。

 

いなくなった理由のわからない好きな人。

彼女のことを書くことは、美しい思い出なのか。未来の足枷なのか。

それでも、彼女が作った曲への想い、この2曲を含めた全曲ライブをしようと意気込むアカシックの覚悟は揺るがない本物だと信じました。

私なりの拙い言葉で書いたものだと受け止めていただければ幸いです。

 

月野にこ