読む? にわかがモーニング娘。‘19の11人の好きなところを荒ぶった感情のまま書き殴るだけだけど。
沼での溺死は突然に
あの、突然なんですけどアラサー女がASAYAN時代ぶりにモーニング娘。‘19にドハマりしてしまった話を聞いてほしいんですよ。
にわかなんですけど、とりあえず衝動が止まらないんで書いておかないと気が済まないんですよ。
2019年春ツアーで初めて現場行って、泣きまして。
春ツアーファイナルを画面ごしに見まして、再び泣きまして。
もう何が良かったのか書こうとしたら、うまく書けなくて泣きまして。
そんな状態なんです。
涙腺に締まりがないんです。
正直、ツアーに関しては円盤を見てただけで参加は初めてだし、セトリがどうだった!とか総括なんて言えないし、というレベルなんです。
でも、にわかだからこそ新鮮な気持ちで好きってことを誰かに伝えたい。
そんな想いが私の中でむくむく芽生えてるので、勝手に書きます。
既に沼っている人も他界隈の人も、にわかに寛大な人だけ読んでね。
古代からの輪廻転生の末にハロプロの女帝を選んだ湿り気の妃
譜久村聖(ふくちゃん)
お顔立ちの上品さから考えて、多分前世は殿から大事に寵愛された御台所(みだいどころ)様だと思うんですよ。
で、前前世は宮中に住み、知らぬ男から和歌で求愛される公家の娘。
さらに、前前前世は雨乞いをする一族の長の妻。
土偶は譜久村聖の母性をモデルにしたに違いないと思うんですよ。
そんな気品と麗しさとたまに変人っぷりを持ち合わせて平成に産まれた彼女が、伝説のアイドル(嗣永桃子、亀井絵里、ミニモニ。など)に出逢ってしまって、決めてしまったんですよ。
この世ではハロプロの妃になる、と。
そんな妄想の輪廻転生説はともかく、次期ハロプロリーダー譜久村聖は貫禄も湿度も抜群。
時折掠れる歌声も、ぎゅっと絞り出すような感情表現もたまんない。
From 女 To 女でもたまんない。
譜久村聖は、女の強靭な部分も脆弱な部分も滲ませるのが巧み。
完璧なバランス感覚を搭載しているオールマイティアイドル。
小田さくらとの双璧によって演出する「モーニング娘。」感の悲しみトライライト担当。
引き続きあなたに任せます、令和のモーニング娘。を!
バク転してもコンマ1秒まで作画崩壊しない彫刻美女
生田衣梨奈(えりぽん)
ジャニーズ詳しくないんですけど、ジャニーズ並にバク転するんですよ。多分。
もう10年目の戦士なんだからゆっくりしとけば良いのに、さくっと回っちゃうんですよ。
コンサートですよ?体操の練習じゃないですよ?
それなのに、表情、視線、口元、指先、腹筋バキバキの体型、何1つブレないんですよ。
え?いつ見ても#えりぽんかわいい ですけど何かいけません?みたいな。
あれえりぽんってこんな顔だっけ?みたいなことを感じさせる瞬間さえ与えない。
普通どっかでボロ出るでしょ。
それなのに、お歌が可愛い。
拙いときもあるけどそれすら可愛い。
そんでもって、笑顔が超下手。
いや、そのイケメンもビビる彫刻みたいなお顔立ちなら、「ふっ」とか言って口元片側だけ緩ませて気障に笑ってよ。
どう考えても「くちゃ〜」って笑ってんじゃん。
「ふにゃ〜」、「へら〜」じゃん。
MC中の笑顔と客の反応だけが作画崩壊する。ある意味すごい。
ユースケサンタマリアがえりぽんを推すというのは玄人好みっぽくてなんか好きだ。
溢れるほどの光を携えた目と規則正しく躍動する四肢が武器の必殺仕事人
石田亜佑美(あゆみん、だーいし)
どこのドン・キホーテにも「涙入りカラーコンタクト」なんて売ってないはずなのに、だーいしの目、キラッキラなんですよ。
あんなに熱いステージライト浴びているのに枯渇しない潤いが溢れてくるんですよ。
田舎から希望だけを抱え込んで上京してきたピュア娘。の顔してんですよ。
22歳なのに。
もう東京8年いるのに。
で、ピュアな女の子だと思うじゃん。(絶対ピュアだけど)
そう安心して見てると、ステージのだーいしは全くの別人でびっくり仰天なのね。
全てのダンスをお手本通り、緩急まで完璧に「パキ!」「ビシ!」「ドン!」と音がなるように踊りこなす。
見ていて気持ち良いとはまさに彼女のこと。
1期先輩でかつての絶対的エース、鞘師里保の魂を引き継いでいく覚悟みたいなのが全身から溢れている。
それがオーラになって輝いている。目とともに。
小柄な体なのにスタミナが底なし沼。
ラブマシーンなグループのダンズマシーン。石田ダンスサイト。
天が間違えて色気と野心と遊び心を与えてしまった歌割ハッカー
佐藤優樹(まーちゃん)
我が推しなんで、ちょっと話が長いことは諦めてくれ。
勝手な妄想だけど、北の大地で駆け回るキタキツネに生まれる予定だったんですよ彼女。
もうなんだったら、ケセランパサランだったかもしれない。
「束縛はさせない 私は私よ」を地でいく運命だったはずなんですよ。
なのに、神様に「あれ?案外綺麗な顔してんじゃん。フォトジェニックじゃん。仕方ねえ、人間にしてやるよ!」って言われて、人間として産声あげることになるの。
そしたら、同じように「フォトジェニックだからモーニング娘。入れよ。成長は22歳まで待ってやるよ。」ってズルい男♂に言われるの。
何が言いたいかといえば、それくらい野生的なパフォーマンス。
回る回る回る回る、煽る、叫ぶ、荒ぶる、トリッキーなアレンジダンス加える、今まで聴いたことない声の出し方する、軟体動物みたいな動きする、荒ぶる、歌詞が憑依する、たまにむっちゃ可愛くて無邪気な顔する、かと思えばえっちい顔する、歌舞伎みたいな動きする、荒ぶる。
彼女のパフォーマンスはこれくらい多重人格。
存在が差し色のようで、扱いづらさとアクセントの境界線に立っている。
例えるならアイドル界の「シェフの気まぐれサラダ」。
もう二度と同じものを味わえない。
もちろん、いっぱい怒られる。賛否両論巻き起こす。
それでも、気まぐれサラダを食べたくて禁断症状を起こす人を次から次へと増やす。
気まぐれサラダプリンセス。
卒業した人の歌割をもらう。
そうすれば、いつのまにかその歌割は「まーちゃんのもの」になる。
だんだん、彼女にしか彩れない色が出てくる。「優樹様」の歌割になる。
田中れいなだろうと鞘師里保だろうと工藤遥だろうと、まんまと乗っ取る。
松岡茉優は彼女を「人の卒業の度に悪魔と契約する」と評価した。だいたい合ってる。
ちなみに、つんく♂サウンドの鳴り響いていないときは只の赤ちゃん。
解析不能、本能の生き物。
まさかその赤ちゃんが、本当に赤ちゃん役の声優仕事貰ってくるとは誰も思ってなかった。謎の器用さ。バブい。存在が名作。
発展途上、20歳なりたて、まだまだ気まぐれ続行中。
ズルい男♂が言う22歳を、サラダファンが涎を垂らして待っている。
私もそのサラダファンの一人。
声でアイドル界の頂に立つ幼子と貴婦人のハイブリッド
小田さくら(おださく)
歌が上手いなんて言葉で片付けちゃうことすら勿体ない。
努力を自信に変換してエンドレスに進化する、アイドル界のガチ頂点。
私こそがモーニング娘。ですけど文句あります?と言わんばかりの立ち姿。
歌、ダンス、目線、メイク、その全てが女帝の振る舞い。
垂れ流す汗さえ威風堂々としている。
譜久村聖と双璧をなすことによって演出する「モーニング娘。」感の、女が目立ってなぜイケナイ担当。
最後のプラチナ期メンバーですと言って紹介しても誰も疑わない。中澤姐さんの隣でモーニングコーヒー歌ってても誰も疑わない。
かと思えば、急に曲の合間に甘ったるい少女みたいな顔を覗かせる。
「セクシーなの?キュートなの?」どころではない。
「キャピキャピなの?威嚇なの?」くらい対極。
それを全力で両立できる恐ろしい二面性。
とりあえず20周年を超えたモーニング娘。曲も、彼女に任せておけば大丈夫と誰もが頷く。
信頼と実績の小田さくら。
爪を隠しすぎて油断させるタイプの能ある巻き込まれアメリカン鷹
野中美希(ちぇる)
悲しみの妃譜久村、威厳の声帯女帝小田の2トップ、加えてファンタジスタ佐藤。
歌唱メンの癖があまりに強いけど、その3人に食らい付いて歌割を着実にこなす野中ちぇる美希ティ。
不規則なインパクト型・佐藤に対して、安定の縁の下型・野中。
聴いてると、段々と英語なんだか日本語なんだかわからなくなる、最早ちぇる語。
特にラップとか、つんく♂独特の意味不明な語の羅列(褒めてる)になると、ちぇるにしか歌えないちぇる感が出る。
言語どうのこうのより音として快感、みたいな。
癖になるちぇる感。
有能なのにガンガン来ないのがまた面白い。
あ、歌えますよ?歌ってもよろしいでしょうか?くらいの物腰。
その控えめな雰囲気のせいで、油断する。
なんなら油断してる隙に、あれこれトラブルや笑いに巻き込まれてる。
この人は実はめちゃくちゃ器用だということを忘れてしまう。
是非忘れさせてほしい。何回も思い出したいから。
カリスマへの憧れから動き出してしまった無垢無敵バービー人形
牧野真莉愛(まりあんらぶりん)
道重さゆみというアイドル史の教科書に太字で載る存在に心底憧れる、ピンク色を担当するにふさわしい少女。
甘い顔立ち、不思議なオーラ。まりあんLOVEりんです。
これぞアイドルのお手本。
だと思ったら大間違い。
勘違いさせてごめんちゃいまりあ。
意味のわからないモデル体型、長い手足を生かして、120%の力で動かしまくる。
あれ、確か全員同じダンスですよね?
牧野さんだけ、10分前まで星飛雄馬みたいに大リーグボール養成ギプスつけられてて身軽になった、とかじゃないですよね?(日ハムガチファンなのであり得なくはない)
それでいて、アイドルスマイルも120%。
お顔がどこにあるかわからないくらい小顔なのに、笑ってることが超わかる。
見逃せないウインクのスコール。
映えるとか、アイドルになるために生まれてきたとか、そういう類の言葉は全部牧野真莉愛のための言葉なんだなと実感せざるを得ない。
ちなみに案外、声質もカッコいい。
それってつまりカッコいいアイドルも可愛いアイドルもできる最強の証では?
与えられたハードルは倒さない時代の到来を待つ強心臓大物ガール
羽賀朱音(あかねちん)
「最年少」という単語を冠すると、自動的にイメージがくっついてしまうんですよ。
特に、あの辻加護という伝説を生み出したモーニング娘。の最年少ならば尚更。
無邪気で何にも支配されない素朴で純粋な存在、そんなイメージ。
それを軽く覆してしまう、良い意味で生意気で貪欲な最年少。
先輩の歌割?勿論いただきます。
台詞?絶対に私のものです。
テレビ?是非とも伺います。
遠慮もなさらず、着実に羽賀朱音は自分の侵略地を拡大していく。
しかも、年上の先輩を差し置いて「ここは絶対美味しい」ってパートを次々と略奪していく。
「しれっと」という言葉があまりに似合いすぎる大物最年少。
この侵略行為でさえ、年齢不相応な大人びた正統派美女の顔立ちがあってこそ。
ちょっと強めの態度くらいで、ちょうど似合う。
そんな強気の大物最年少。
もうすぐ彼女は最年少から離れていく。
ようやく、時代が羽賀朱音に追いついてくる。
2次元から令和のアイドル史に降り立った踊るらんま1/2
加賀楓(かえでぃー)
下駄箱のラブレターを慣れた手つきでカバンに入れたり、バレンタインのチョコを何個貰ったか自慢するような類のボーイッシュじゃないんですよ、加賀楓は。
決してチャラくないんです。(それはOG工藤遥にお任せしましょう)
自分がいかに周りからチヤホヤされているかにも気づいていない、ちょっと不器用で硬派でストイックなボーイッシュなんですよ。
かといって、彼女の全てがボーイッシュな訳でもない。
キリッと前を見据える切れ長な目つき、身体のしなやかさ、最強民族の血を継ぐ乙女みたいな場面があるんですよ。
だから、らんま1/2。現役最強の2次元み。
そんな彼女がキレッキレで踊るんですよ。
決して派手ではない外見からは想像つかない程、私たちの目を捕まえに来るんですよ。
偉大なOG鞘師への憧れの炎を絶やさず、同じく戦闘民族の石田と肩を並べてるんですよ。熱い。
牧野さんと組んじゃうと美少女戦隊の悪役並のハマり具合だし、横山さんと組んじゃうとでこぼこヒロインコンビになるし。
加賀楓がいることで保たれる関係の多いこと。必要不可欠な人。
不敵なほどに0円スマイルを浮かべる朝ドラヒロイン的ナルシスト
横山玲奈(よこやん)
オリエンタルランドで10年働いてましたとか、寺田心パイセンと同期ですとか、そういう隠れた経歴がないと納得できない。
生きるニコちゃんマーク。
歩くスマイル0円。
美少女になった子犬。
令和のミニモニ。その1。
研修2ヶ月だけで強靭な体力と実力を要求するモーニング娘。に入れちゃった化け物。
もうこの話だけで、有名バンドのオープニングテーマ引っさげて朝ドラできます。
「令和、がんばれいな」、どうでしょう国営放送。
そんな彼女、時折びっくりするくらい不敵な笑みを浮かべています。
今のモーニング娘。の中で、「ここぞというときの横山」になりつつある。
そんなとき、彼女はニヤっと笑ってる。
アイドルスマイルとはちょっと違う、やってやるぞ感のある笑み。
飼い主に黙ってつまみ食いしてやろう、くらいのニヤっと具合。
そのナルシシズムさえ、もう可愛いに決まってんじゃん。
うっかりハスキーボイスと闇属性を憑依させてしまった正統派アイドル
森戸知沙希(ちいちゃん)
(ちいちゃんのために、ブログそのものの本文の色を白に変更しました)
外見だけで分類すれば、森戸知沙希はアイドルのど真ん中にいる安倍なつみ枠。
男性受けはもちろん抜群、女性からも僻むことさえ許されない絶対的正統派アイドル。
さらには低身長という条件にも恵まれる。
令和のミニモニ。その2。
モーニング娘。加入以前、嗣永桃子率いるカントリーガールズのメンバーとして活動し始めたことも、彼女の良さを生かした神采配。
だがしかし、兼任という運命の悪戯が彼女の秘められた部分を明らかにしてしまう。
「なんかようわからん悲しさ」を持つモーニング娘。の歌に、異常に似合うハスキーな声。
たしかに彼女の声も、なんかようわからんけど悲しい。切ない。愛おしい。可愛すぎてウケる。
鞘師石田牧野加賀が作り続けた「ダンスのモーニング娘。」という側面にも、食らいつくことのできる能力。
え、その顔でそのダンスなの?ヤバ。
まるで1曲に5回鞘師(佐藤優樹談)の意外性。
つまり、歌、ダンス、ビジュアル、その全てがカントリーガールズにもモーニング娘。にも求められていた奇跡の存在。
Idol of Idol.
是非あなたは真ん中にいてください。そんでもってギャル全開でいてくださいツボなんで。
もっと彼女たちを、誰か讃えて
先程も申し上げた通り、私はそろそろ良いお歳のアラサーです。
後藤真希が「チッス。あたし、明日からセンターだからよろしく。」みたいな顔して金髪のまんまオーディションに来たときのASAYANをリアルタイムで観ていた人です。
そんなお歳なもんで、彼女たちを好きになるのにちょっとだけ躊躇があった。
え、この歳でアイドル…?という類の躊躇である。
でも今は、なーんにも恥じてません。
このどハマりするべき美少女戦士みたいな集団、つんく♂氏の書く女性の心の奥の奥、見てるだけの赤の他人さえ泣けてくる努力と成長と競い合いの歴史、全部。
こりゃすっごい。ものごっつい。
ハマるのが恥ずかしい?
何言ってんの?
ハマって当然でしょ?
今はそんな気持ち。
この気持ちを、是非ともアイドルヲタでもなんでもない人にもわかってほしい!
そんな思いで荒ぶってみました。
私みたいにあんまりアイドル慣れしてない人、えげつないブームの時期のモーニング娘。で記憶が止まってる人、そんな人に好きの気持ちを繋げたら良いなと密かに願ってます。
私もまだまだにわか。
これからもっと深掘りします。
ベストアルバム発売記念に書いた記事。
普段は全く別界隈の記事書いてます。自信をもって布教したいので、とりあえず読んで。
雛 気まぐれな少女の不器用さに遭遇した日
アイドル。
人の欲望に答え続ける仕事。見た目も歌もダンスも言動行動も、すべてを晒し続ける仕事。誰かがその存在に「偶像」という意味をあてがったのに頷くしかできない、尊い仕事。
やれ選挙という名の株主総会みたいな行事を開催したり、やれメンバーカラーという戦隊ヒーローのようなキャラ付けをしたり、「差別化」は死活問題だ。その集団がいかによそと違う集団なのか示すために試行錯誤が繰り返されている。
かといって、集団に属するメンバーにとって、その集団の色から外れることはご法度だ。出る杭にはならず、個性を埋もれさせず。業界という赤い海に飛び込む集団は、さらにその集団内でも生存競争が求められている。
それが私にとっての、超勝手なアイドルの定義。
これほど厳しくて過酷なプロフェッショナルの世界を生き抜く人々を支持する人だって、それはもう相当に熱い思いなのだろう。同じCDをジェンガのように積み重ねる人々をSNSで見かけては、その健闘を称えるとともに、私とは違う世界の人々だと思っていた。
だって、入り込むことは怖いんだもの。
もうアイドルのオーディションに申し込むこともできない年齢にもなって、周囲が結婚だの育児だの人生のイベント話ばかり持ち掛けてくる日常の中に、そんな熱い世界を持ち込む余裕が私にあるとは思えない。アイドルは、遠い世界の話。私は勝手にそう決め込んだ。
どうしてその動画を見てしまったのか、覚えてない。
見てしまった動画の衝撃が凄すぎて、そこに至る経緯が記憶からぶっ飛んでしまった。
ある1人の少女の様子がおかしい。
曲が始まって数十秒で、その場に座り込んでしまった。
少女はふてぶてしい目つき、悦に浸る口元を見せつけながら、華のない階段状のステージを、まるで大富豪が腰かける重厚感たっぷりな椅子がごとく使っていた。ざらつきと鋭さを感じる声で自分のソロパートを歌い切った。
そのまま、その場を去るようにすっと立ち上がり、集団のダンスに混ざっていった。
何が起きたかわからなかった。
私の記憶の中のモーニング娘。は、日本の未来をWOW WOW YEAH YEAHしてくれるイカした姉ちゃんのグループだった。時代の象徴だった。
そこから、赤い海を生き抜くためにパフォーマンス集団として研鑽し続けているらしいと、風のうわさには聞いていた。例えるなら、「あの店、めっちゃ美味しくていつも行列すごいらしいよ。知らんけど。」くらいの認識。実際、その動画に出てくる少女たちは、歌もダンスも本気で真正面からぶつかってくる。前評判どおりである。
ただ、あのステージを大富豪の部屋に変えてしまった謎の少女だけは、「異物感」があった。何が起きたかパニックになり、何度もその部分を繰り返し再生したが、その「異物感」はずっと残った。
遠い世界だと思っていたのに、いつの間にかMVから彼女を見つけ出し、目で追いかけることに没頭した。
わかったことは、大変に不器用な少女であるということだった。
「そんなこと言わなければ楽なのに」とか、「もうちょっとうまくやんなさいよ」とか言いたくなるようなことが目白押しなのである。細かい事例はありすぎるから省略するとしても、少女はあまりにも偶像としてのアイドルの枠におさまってくれない。偶像どころか、野性的、かつ感覚的な生き方をしている、相当に変なアイドルである。矛盾だらけ、間違いだらけ。「異物感」はこのあたりから来ていたのだろう。
ずっと少女はもがいているように見える。発展途上な自分からの脱却を目指して、裏目に出ることもあれば、突然大成功を収めることもある。
いつの間にか、「異物感」が「推し」という認識になった。
アイドルを遠い世界だと思っていたのに、まさかの出来事。
親せきの子どもくらい歳の離れた少女のビジュアルフォトブックを買う日が来るなんて思いもしなかった。
なんで、と問われても理性的な回答はできない。もう、ただただ「好き!」なのだ。
沼ってこれか、盲目ってこれか、と聞いたことあるけど経験のなかった言葉を答え合わせしている感じ。
なんとか言葉にするとしたら、うーん。
おそらく、少女はまだまだ試行錯誤するのだろう。
叫ぶように絞り出す歌声も、感情の起伏がそのまま表れたようなダンスも、突如仕掛けてくるトリックみたいなパフォーマンスも、気になって気になって仕方ない。成長していく過程を見届けたい。不器用な輝きを追いかけたい。
佐藤優樹さん。ありがとう。知らない世界を知って、私は本当に楽しい。
アプカミ#90 モ娘。20周年企画、モ娘。’17、J=J、中島卓偉、ラベンダーライブ映像ほか 田中れいな(LoVendoЯ)、尾形春水(モーニング娘。'17) 10/27/2017
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モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2017秋~We are MORNING MUSUME。~工藤遥卒業スペシャル
ベスト!モーニング娘。 20th Anniversary
15Thank you,too(初回生産限定盤)