好きにさせてよ。

好きにさせてよ。

偏食な趣味を、つらつら綴る。字圧強め文字のブルドーザー。可愛い連中/モーニング娘。など

大切なお知らせと向き合えない私へ

2015年の秋頃の、寝苦しくてなんとなく深夜のテレビをつけたときの「私」へ。

 

 

今から、あなたに必ず覚えていてほしいことを書きます。
多分びっくりするくらい4年後のあなたは変わっているけれど、驚かずに読んでください。
そして、今までの人生なんだったんだろうと思うくらい、1日1日を大事に生きてください。


あなたは、その深夜番組の中にいる金髪の女の子がとても気になります。


どの子、ですって?
泥酔してトイレに顔を突っ込んで寝てしまい顔が青(ブルーレット)ざめてしまった女の子です。
御託は言いません。その偶然に乗っかって、YouTubeをそのまま開いてください。
多分その女の子のお名前が「理姫」さんという覚えやすいお名前の女の子なので探しやすいでしょう。

 

 

 


アカシック

 

 

 

そのバンドは、あなたにとって一生忘れないバンドになります。

 

音楽を聞くとき、歌詞カードが何よりも大切なあなたにとって、理姫さんの魅力に気づくのに時間はかかりません。
可愛い声なのに苦しみも憂鬱も知っているような息遣いをする彼女に、あなたはほぼ自動的に病みつきになります。
「女の子」という世界で満足に生き尽くしていないあなたには、理姫さんの存在が羨ましくてたまりません。
燃えるような恋も、尽き果てた痛みも、理姫さんは物語のように言葉にしてしまいます。
気高く鳴らすヒールの音のように、理姫さんの歌詞は、声は、あなたを奮い立たせます。

 

過去を勝手に変えたらタイムパトロールが来て捕まってしまうと青い狸(ネコだよ)が言っていたので、無理強いはできません。
できませんが、叶うなら、1日でも、1分1秒でも早く、アカシックのCDを買って、アカシックのライブに行ってください。

 

そのままなら、あなたは2016年頃に初めてアカシックのライブに行くことになります。
行って、絶望してください。
理姫さんのことばかり見ていた自分を、なんて愚かしいんだと恨んでください。

 

とってもやんちゃな顔でテレキャスを鳴らす人は、奥脇達也さんと言います。
アカシックの曲を貪るように聞くことになるあなたは、実は知らず知らずのうちに、達也さんの虜でもあった訳です。
歌うようなギターソロも、誰よりも熱い演奏スタイルも、たまに聴ける低音ボイスも、あなたはとっても好きになります。

 

マネキン顔にラブレットをつけた絵画みたいな人は、黒川絢太さんと言います。でも、バンビさんと呼びます。
黙って後ろで控えているのかと思いきや、ここぞというときに胸をときめかせる渋い演奏をしてきます。
ニヤニヤと黙って皆を見守りながら、内心熱く演奏に入り込む彼を、あなたはつい見つめてしまいます。

 

ここからは、書くのが辛いですが頑張ります。
全体を見渡せる場所からバンドを支えながら、いじられてくれたり、ふざけてくれたり、優しくしてくれたりするお兄さんがいます。
その人は、山田康二郎さんと言います。
よく噛みます。というか、基本の滑舌が不安です。
でも、ドラムはとても美しくて、軽やかで、繊細さと力強さのバランスがよくとれています。
その原動力はインスタを見る限り豚カツとラーメンのようですが、全く演奏は油っぽくありません。
むしろ、類稀なる技術と品性を感じます。
実は理姫さんの声の後ろで、そっと包むような声がします。それも、康二郎です。
あなたは、彼が2枚目のアルバムから参加した追加メンバーであることが信じられないでしょう。
それくらい、彼の存在はバンドにとって無くてはならないのです。

 

あなたは、とても複雑な時期にアカシックと出会います。

鍵盤が空席になり4人で新しい形を模索し始めるとき、それが、あなたがアカシックを追いかけ始めるときです。

 

土日祝にそう何度もお休みも取れないし、なかなか遠征に行ける立場ではないあなたは、大きなツアーにしか行けない時期も多くヤキモキします。
でも、アカシック4人が創りあげるライブが本当に本当に大好きで、一つ一つの曲に想い出が宿り、あなたの中のアカシックを好きな気持ちが成長し続けます。

 

「推しは推せる内に推せ」なんて言いますが、ひとまずあなたにとって、行けるライブには行くとか、なんとか休みを確保するとか、最大限の愛を注ぐようになります。

 

え?もう信じられないって?
新しい音楽もだんだん聴くのが億劫になってきたし、仕事も忙しいし、燃えるような恋もしていないって?
そんなに1つのバンドに心酔すると思えないって?

 

まぁ、確かに燃えるような恋はしません。残念ながら。
でも、あなたは3年間、アカシックのライブに行くことを希望に生きていく日々を歩むことになります。
恋愛に全然関係ないけど仕事で辛いことのあった日や、自己嫌悪で眠れない日、無情な日々を過ごすなかで、いつもアカシックがあなたのお守りになります。


2019年の私がノストラダムスの代役をしておきますが、3年間、とっても幸せです。

 

 

 


行ったライブの話とか、新譜が出たときの喜びとか、語るとキリがないのでちょっと早送りします。

 

 

あなたには、ちょっとした変化が訪れます。2018年頃から。
まあ、バンドにハマった話すら信じられないと思うのでここから先のことはもっと信じられないでしょう。

 

まず、アイドルの沼にも落っこちてしまいます。信じてくれなくていいよ。
信じなくていいけどお前ファンクラブ会員にまでなるからな、覚悟しろよ。

 

そんなこともあったりして、あなたはふと、今まで予想もしていなかったお別れが怖くなります。


卒業だ、解散だ、脱退だ、アイドル業界はとっても騒がしい界隈です。
その子もきっと、いつの日か飛び立ってしまうのでしょう。

 

本人たちが望む未来と、運営や事務所が考える戦略が違うこともいっぱいある。
本人たちの中で、区切りがつく日がやってくることもある。
本人も運営も不覚のタイミングで、区切りをつけねばならぬこともある。


よその事情を持ち込むのもどうかとは思いますが、そんな場面をいくつか目撃したあなたは、次第にアカシックの未来のために何かできないかと無茶な希望を抱き始めます。

 

 

いつの間にか、ブログを書き始めます。


夏休みの宿題を最終日までに終わらせた試しもないし、読書感想文なんて漫画読んでごまかしていた私が?
ライブで結局誰とも友達になれなくて(皆若くて可愛いんだもん絶対声かけらんないよ)ぼっち参戦女の私が?
LINEですら、すぐ嫌気指して友達のデータ消去とかしちゃう最大級のめんどくさがり馬鹿の私が?

 

ええ、一寸の虫のようなあなたは、アカシックのことが好きでたまらなくて、書いちゃいます。
結構これは書いている今でも信じられません。

 

 

多分、色んな感情が溢れてどうしようもなかったんです。


こんなにも素敵なバンドが、どうしてもっと明るいところに出ていかないだろう。
こんなにも愛すべき人たちがいるのに、私はなんて無力なんだろう。

 

いっぱい思い出をくれたアカシックに、いっぱい恩返しをしたくなったのです。

 

 


まあ、こんな文章を書いているくらいだから、結末は読めるかもしれません。
アカシックは、今日解散します。

 

こんなに優しい解散のお話なんてないんじゃないかな?ってくらい、美しい最後を迎えます。

 

康二郎は、アカシックを抜けます。そのため、アカシックは一旦お仕舞いです。


でも、康二郎はアカシックとして駆け抜けている間ずっと、ライブで楽しそうに笑っています。
時々メンバーから発信されるインスタでも、メンバーはいつも仲良さそうです。
解散という名前がついたライブですら、メンバー皆で馬鹿みたいな話で盛り上がっています。

 

音楽を嫌いになった訳でも、アカシックが嫌いになった訳でもない。
それは康二郎本人が、大切なお知らせの中でも書いてくれています。


大人の事情とか、いろんなものを守る気持ちはきっとどこかにあると思う。
けれど、大切なお知らせの言葉が真っ赤な嘘であるようには、全く思えません。一寸の虫には。

 

仲が悪くなってとか、突然お別れも言えずにとか、そんな悲しい最後のお話をよそで聞いたこともあります。
でも、アカシックは、ちゃんとお別れまで時間をくれました。
最後まで4人でアカシックだという形を見せてくれました。
理姫さん、達也さん、バンビさんが3人で仕切り直すという未来も示唆してくれています。
なんだか恵まれすぎているのかもしれません。

 

 

 

それでも、大切なお知らせに向き合えていません。

 

どうせ4年かけてもひねくれた残念な性格は全く改善されていないので、どれくらい今の私がやさぐれているか、あなたには想像できるでしょう。だって私だし。

 

アカシックを見つけないなんて世間の感性がおかしいんだ。
康二郎に辞めるのを辞めてもらうために、ドラえもんなんか道具出してよ。
まだ理姫さんに、達也さんに、バンビさんに、康二郎に、何の恩返しもしていないんだからちょっと空気読んでよ時間。
8月7日から10月26日までの80日間が8000日に延びたりしないのかな。

 

こんな風に手あたり次第八つ当たりしてます。最後の最後まで。馬鹿でしょ?

 

 


あなたには絶対わかんないと思うの。
だって、こんなになりふり構わず誰かを応援したくなったこと、こんなに八つ当たりしか術を持たない程好きになれる音楽を見つけたこと、生まれて初めてだからさ。

 

理姫さんの言う通り、人生は無情。
報われなかったり、呆気なかったり、満たされなかったり。
それをもっと痛い程実感するのは、明日からだと思います。


康二郎のいないステージ。

康二郎じゃないドラム。

もう呼べないアカシックという名前。

 

悲しいことにはすぐ向き合えない。
それでも、このお別れを迎えるあなたに、どうしても向き合ってほしいことがあります。

 

 

私は結局3年とか4年とか、アカシック結成から半分くらいの短い期間しか生で見れなかったけど。


それでも、私はアカシックに会えて、アカシックの音楽を知ることができて、幸せだったよ。
アカシックを知らなかったらあの日どうなってたんだろうという日が数え切れない程いっぱいあるよ。

 


へったくそなブログの文章書いているときも、何気ないコンビニまでの道も、アカシックの音楽を聴いて、アカシックのことを考えているとき、無情な日々に花が咲くような、大きな幸せが見えた気がしたよ。

 

だから、アカシックがいてくれて幸せだったこと、こんな無情の日々の中でもアカシックの皆にずっと幸せであってほしいと願うこと、この気持ちだけは、どんなに悲しくて歯がゆくても向き合って生きていってほしいんです。

 

 

 

 


今、私は横浜にいます。初めてアカシックのために横浜に行きます。

 

 

夜更かししている、金髪の女の子から目が離せないあなたへ。


改めて、幸せだったことに向き合う覚悟ができたら、幸せだったことを自慢できるなと思ったら、私はこのブログの更新ボタンを押すつもりです。
あなたは、ただ、どんな瞬間も無駄にしないように、アカシックのことを好きになってください。


理姫さんを、達也さんを、バンビさんを、そして康二郎を、しっかり見ていてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大丈夫、一秒も後悔しないから。

 


月野にこ、とかいう変な名前でネット上を彷徨う4年後のあなたより